出光興産創業家が激白!私が「昭和シェルとの統合」に反対する理由

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週刊現代 プロフィール

昭和シェル石油との件について、私が最初に話を聞いたのは、平成27年の夏のことでした。そのときは、昭和シェル石油を飲み込む合併という話でしたので、とりあえず様子を見ましょうということを申し上げました。

そして、その後特に話がなかったのですが、突然、同年11月に出光興産と昭和シェル石油が対等の精神で経営統合をすることになったと知り、大変驚きました。

会社側は、経営統合を一旦了承していた私が、途中で心変わりをして反対し始めたかのような説明をしているようですが、それはまったく事実に反しています。

経営統合の話を聞いて、私はすぐに、月岡社長に、経営統合に反対であるという書簡を送ったのですが、実際に月岡社長と面談するまでには、かなりの時間を要しました。

その後も、月岡社長以下の経営陣が、私たち創業家の経営統合への反対の意見に対して、真摯に向き合っていたとは思えません。

経営統合が決まるまでに、私たち創業家の話をしっかりと聞いてもらう機会があれば、このような大事にはならなかっただろうと思いますので、そのことが残念でなりません。

 

会社の体質がまったく違う

私が昭和シェル石油との経営統合に反対する理由は、鶴間弁護士から会社に伝えてもらっているように、大きく3つあります。

第一に、出光興産と昭和シェル石油の体質・社風の違いです。民族資本の会社として独自の理念を大事にして事業を行ってきた出光興産と、国際石油資本の一つであるシェルの傘下で事業を行ってきた昭和シェル石油は、その体質や社風が大きく異なっており、両社を融和させるのには非常に大きなエネルギーを要します。

そのことを考えると、経営統合をしたとしても、実際に成果を上げることは極めて困難です。また、経営統合によって実際に出光興産にメリットがあるのか不明ですから、経営統合にエネルギーを割くのではなく、出光興産がその理念を守り続ける形での事業を模索すべきです。

第二に、経営統合によってサウジアラムコからの出資を受けることになる点です。石油利権を握る国際石油資本と一線を画してきた出光興産の歴史的意義を没却することになります。

このことは、先に述べたような出光興産の強みを失わせるものであって、大きな損失をもたらすものと考えます。

サウジアラムコPhoto by GettyImages

第三に、経営統合は生産者間の競争を減らすために行われるものであると考えられます。出光興産は、これまで消費者本位、すなわち、消費者の利益を第一に考えて事業を行い、また、事業を通じて社会に貢献することを目指してきたはずです。

にもかかわらず、自社の利益を守るために、生産者間の競争を減らし、石油製品の価格を高止まりさせようとしているのは、大変残念ですし、消費者の理解を得られるものではないはずです。

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