「韓国芸能高校」潜入ルポ~EXO、防弾少年団、TWICEらが卒業

写真満載!K-POPアイドル育成最前線
桑畑 優香 プロフィール

校内で大手芸能事務所オーディション

演技を学ぶ演芸科、K-POPのような現代音楽を習得する実用音楽科、ヒップポップを中心とした実用舞踊科、ミュージカル科、ファッションモデル科、映像制作科の6コース。一番人気は実用音楽科ヴォーカル専攻で、入試倍率は約40倍だ。中学校での成績は問われず、わずか2分間の実技が合否を決める。

広告風の写真を撮っていた演芸科の生徒たち。映画『グリース』をイメージ。カメラは映像制作科の学生が担当。photo by Yuka Kuwahata

午前9時から午後4時半までは、国語や数学など教育部(韓国の文部科学省)で規定された高校課程の最小単位数をカバーしながら、ダンスや演技などの専門科目を学習する。そして放課後は、外部のインストラクターを学校がアレンジ。特別レッスンを通常価格の半分以下で、午後10時過ぎまで校内で受講することが可能となっている。

職員室には卒業生や在校生のサイン入りポスターが並び、芸能事務所のような雰囲気。 photo by Yuka Kuwahata

最大の特徴は、学校が芸能界との橋渡しを積極的に行っていることだ。週1回、校内でSMエンターテインメント(東方神起、少女時代、EXO等が所属)やYGエンターテインメント(BIGBANG、PSY、2NE1等が所属)など大手事務所のオーディションを開催。また、ドラマや映画のキャスティングの相談があれば、役に合う学生を推薦する。

 

さらに、生徒がオーディションやキャスティングに合格した際には、本人に代わって学校が芸能事務所とのギャラの交渉や契約を行う。ギャラの一部は学校の収入となり、奨学金に活用。ここまでサポートを徹底するのは、未成年の学生を不当な契約から保護し、安心して芸能活動ができるように学校が責任を取るためだという。

キム先生は、外資系で働きIT会社の韓国支社長などを務めた異色の経歴を持つ。よく「元タレント?」と聞かれるという。photo by Yuka Kuwahata

「芸能事務所と密に連携するもう一つの長所は、オーディションの傾向を知り『次にブレークしそうなのはクール系』など、トレンドがわかること。それを授業に生かし、オーディション対策に役立てています」(キム先生)
 
つまり、学生、学校、芸能事務所の3つがともにWin-Winの関係で結ばれているシステムなのだ。
 
演技を独学で学んで入学した演芸科2年生のソ・ユナさんは、学校の推薦で映画『大切な女性』(キム・ヘス、イ・ソンギュ主演)にキャスティングされた。

「家が遠くソウルの反対側から通っているため、帰宅は深夜12時」というソ・ユナさん。睡眠時間は平均4時間。photo by Yuka Kuwahata

「もともと大人しいタイプでしたが、この学校に入って自己表現ができるようになりました。少しずつ自信や手ごたえを感じています」