「韓国芸能高校」潜入ルポ~EXO、防弾少年団、TWICEらが卒業

写真満載!K-POPアイドル育成最前線
桑畑 優香 プロフィール

とりあえずイケメンだらけ

翰林演芸芸術高等学校は、ソウル南東部の新しいマンションが立ち並ぶ一角にある。ブルーとピンク、グレーのまるで美術館のような外観の校舎を抜けて校庭に出ると、ちょうど休み時間。すらりとしたイケメンボーイズがサッカーを楽しむ光景は、期待通りのドラマのような光景だった。

サッカーをプレーするのも見るのもイケメンという、夢のような休み時間の一コマ。photo by Yuka Kuwahata

その時、ひときわオーラを放つ青年がグラウンドを横切った。すると、女子学生たちがわっと走り寄ってきた。

「一緒にセルカ(韓国語で「セルフィー」の意)撮ってもいいですか?」

校内でもアイドル的存在の彼は、演芸科3年生のソン・ユビンくんだ。オーディション番組『スーパースターK』で上位に入賞し、ソロデビュー。1年生の時に故郷の大邱広域市からソウルに引っ越し、翰林演芸芸術高等学校に転入したという。

ソン・ユビンくんは3時間目まで出席し、その後は芸能事務所でのレッスンに行くのが日課。憧れの歌手は、キム・ボムス。photo by Yuka Kuwahata

「地方に住んでいたときは学校の勉強も厳しかった上に、周りにレッスンを受ける環境もありませんでした。今は歌と勉強を両立できるし、同じ目標を持った仲間もいる。最高の環境ですね」
 
目標は実力派ソロシンガー。いつか日本で活動することを夢見て、学校では日本語の授業も選択していると教えてくれた。

 

キレッキレのダンス

校舎に入り、戦略企画室長のキム・ジヨン先生の案内で見学することに。ある教室のドアを開けると、ダンスの授業の真っ最中だった。B-BOY風の学生たちが「アンニョンハセヨ!」とニッコリ。写真を撮ろうとカメラを構えると、教師が「撮影するよ。さあ、ゆっくり踊って」と指示し、スローにダンス、そしてジャンプ! 

実用舞踊科の授業では、ヒップポップダンスのレッスン中。カメラを向けるとコマ送り風のストップモーションで応えてくれるのがプロの技⁉ photo by Yuka Kuwahata

韓国の高校で唯一のファッションモデル科のクラスでは、ランウェイを模した教室でモデルウォークをしてポージング。妙に撮影慣れしていて、臆することもない彼らには、すでにプロの風格が漂っていた。

イケメン&美女率ナンバーワンはファッションモデル科。すでに本物のランウェイデビューをしている人もいる。 photo by Yuka Kuwahata

校内には楽器や歌の練習のための本格的なスタジオも複数備えられている。スタジオは授業のみならず、希望者の個人レッスンにも使われるという。

翰林演芸芸術高等学校OG、TWICEのダヒョン。photo by gettyimages

ここは、TWICEのダヒョン、チェヨン、ツゥイ、SHINeeのテミン、SEVENTEENのウジ、GOT7のユギョム、iKONのユニョン、Block Bのピオ、WINNERのミノなど、人気スターの出身校。09年に創立された新設校で、韓流青春ドラマ『ドリームハイ』(11)のモデルにもなった芸能高校の先駆けだ。

翰林演芸芸術高等学校OB、SHINeeのテミン。photo by gettyimages

「K-POPブームに便乗したのか」と思いつつ創立理念について質問すると、キム先生からは意外な答えが返ってきた。

「学歴至上主義の韓国社会で疎外されがちな生徒に、教育の機会を与えたかった」

翰林演芸芸術高等学校をモデルにした韓流青春ドラマ『ドリームハイ』

大学入試中心の教育が色濃い韓国では、勉強以外に才能を持つ生徒が認められるのは難しい。そんな中、「歌や踊りが得意な子たちが輝ける学校を作ろう」と、勤労学生や生涯学習の問題に長年取り組んできたイ・ヒョンマン校長が設立した。