マイホーム購入は2019年「以前」と「以降」で大差がつく

あと2年、待てませんか…?
山下 和之 プロフィール

4年で2000万円も下がった

しかし、ほんとうに消費税の増税前にマイホームを購入することは合理的なのだろうか。むしろ、増税後に取得するほうが得策という見方もできる。

まず、住宅市場についてはこんな変化が想定されるからだ。

・増税によって買手が減少、売手市場から買手市場になる
・買手が減少すれば、競合相手が減って選択肢が広がる
・買手不在で価格が下落し、値引き交渉が可能になる

実際、89年の消費税創設時、そして97年、2014年の税率引上げ時には、増税前に駆け込み需要が発生し、増税後は反動減に陥った。

新設住宅着工戸数にそれが如実に反映されている。図表1にあるように、89年の消費税導入時は、バブルのピーク時であり、すぐに影響は出なかったが92年度から急激に減少、その後なかなか立ち直れなかった。

97年の5%への増税時には、96年度の年間着工戸数約163万戸に対して、97年度には約134万戸に、98年度には約118万戸まで減少した。2年で3割近くも減ってしまった計算だ。また14年の8%増税時にも前年に比べて1割以上減少し、回復に2年ほどかかっている。

こんなに市場が縮小すれば、当然ながら価格にも影響が出てくる。89年の消費税導入後の首都圏新築マンションの価格の推移を不動産経済研究所の調査からみると、90年のバブルピーク時には6123万円だったのが、91年から下がり始め、94年には4148万円に、4年で2000万円近くも下がった。

また、97年の増税時には、97年の4374万円が翌98年には4158万円に下がり、その後も02年には4003万円まで下落、4000万円割れ寸前まで下がったのだ。

値引き交渉も有利に進められる

14年の8%への増税時には先に触れたように新設住宅着工は大幅にダウンしたものの、おりから都心を中心したミニバブル傾向のなかで、マンション価格が下がることはなかった。これはこれまでの経緯からみれば、かなり特異な現象といわざるを得ない。

しかし、そのときに下がらなかった分、16年に入って高くなり過ぎた価格の下落が始まり、17年に入ってもその傾向が続いている。この状態で消費税の増税といった事態に直面すれば、消費税導入時や5%への増税時などに起こった価格下落ではおさまらないような値下がりが始まる可能性がある。

マイホームの取得においては、価格の動向もさることながら、選択肢が豊富かどうかも重要。いくら価格が手頃になっても、買手が多いとなかなか希望の物件が手に入らない。しかし、増税後には恐らく一時的にしろ、住宅展示場やマンションのモデルルームには客足がバッタリと途絶える。そこにやってきた客は諸手を挙げて歓迎され、物件はより取り見取り、多少の値引き交渉も当然――といった環境が期待できるはずだ。