名門高の韓国への修学旅行が「延期→決行→中止」の大騒動

原因は意外なところに…
現代ビジネス編集部 プロフィール

「強いこだわり」の理由

韓国への修学旅行は、1975年から昨年まで42年間続き、累計2万人以上の学生を送り出してきた智弁学園の「伝統行事」。同学園がこの修学旅行にこれほどこだわりを見せたのは、やはり「伝統」を守りたいという気持ちからなのだろう。

この修学旅行は、もともと同学園の前理事長である故・藤田照清氏(2009年12月に死去)が智弁学園高校の校長代行だった時代にスタートした。

関係者によると、「照清さんは歴史教育の一環としてこの修学旅行を続けており、強いこだわりを持っていた」と明かす。韓国の高校生との交流を続けた功績で、照清氏は2004年には韓国大統領 から「産業褒章」も受けている。

 

また、照清氏は亡くなる少し前の2009年4月にも韓国紙「中央日報」の取材に答え、その時点で35周年を迎えていた同校の修学旅行の意義について、

「韓国修学旅行は校長を務める3人の息子がずっと続けると信じている。日韓両国の青少年が正しい歴史観を持って東アジアの人材として成長していくことを願っている」

とも語っている。こうした照清氏の生前の思いは、照清氏の息子である清司・現理事長に限らず、智弁学園の教職員にも一定程度共有されているようだ。智弁学園和歌山の副校長は、5月31日に「現代ビジネス」の取材に答え、以下のように語っていた。

「過去に行った韓国への修学旅行では、現地の交流会で知り合った姉妹校の生徒とその後も個人的に文通やメール交換を続ける生徒がいたなど、決して表面的でない国際交流ができています。

よく韓国の教育が『反日的』だと報道されたりしますが、少なくとも私たちが実際に交流している限りは教職員も生徒たちも本当に友好的ですし、そうしたことを肌で感じられる教育的意義もあると思っています」

だがこうした学園側の姿勢は、実際にわが子を韓国へ送り出す保護者の目には、「伝統」や「教育的意義」を生徒の安全よりも優先するかのように映ったようだ。智弁学園の運営する高校のひとつに子どもを通わせているというある保護者は、旅行先変更決定前に次のように言っていた。

「私自身は別に韓国という国がダメだとは全く思っていません。学校側に問いたいのは、なぜ今あえて韓国に行く必要があるのかということに尽きます。学校の伝統も大事なのかもしれませんが、子供たちの安全を最優先に考えて『今回は韓国以外のところで』と考えるのが、それほどおかしなことでしょうか?」