北朝鮮が核ICBM保有すれば、日米安保は瞬時に崩壊する

核の傘、無くなったらどうする…?
李 英和 プロフィール

アメリカが力の解決を選ばなかったら……

それでも中国は北朝鮮有事への備えを怠らない。昨年3月に北朝鮮が北京に核照準を合わせて以降、慎重かつ着実に中朝国境で兵力を増強してきた。今や精鋭部隊を含めて総勢20万人の大兵力が集結しているものと見られる。「1週間で平壌を占領できる」と非公式に豪語する中国軍の将軍もいるという。

 

だが、実際には空威張りに過ぎない。軍事作戦に1週間もかける時間的な猶予はない。中国軍の弾道ミサイル防衛能力は貧弱だ。その間に北朝鮮の核ミサイルが北京を襲うことになる。戦略核兵器を用いる以外の方法で、北朝鮮の核戦力を短時間(30分以内)で無力化できる圧倒的な軍事力はアメリカしか持たない。

上述したWSJ紙のベーカー編集局長は「この半年間で、米国が北朝鮮に先制攻撃する可能性は高まった」と言う。それでも、アメリカが先制攻撃に踏み切るのは容易でない。広範な国際世論の支持が必要だし、何よりも日韓両国の犠牲をいとわない確固たる協調と支援が不可欠だ。

もしも日米韓の足並みが乱れるようなら、トランプ政権は「ICBM抜きの核武装」を条件に、北朝鮮との平和共存に向かうことになるだろう。そうなれば北東アジアにおけるアメリカの核の傘が確実に破れる。

ドイツのメルケル首相と同じく、日本の安倍首相が抱える苦悩は大きく、決断は重い。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/