菅官房長官・2000人集結パーティーで見た「絶頂」と「内憂」

喉元にひっかかる、横浜市長選という骨
岩崎 大輔 プロフィール

悪夢となるのか

山下埠頭のある中区は住宅も多く、治安の悪化を懸念する地元住民が「子どもに悪影響を及ぼす」「暴力団の進出やギャンブル依存症など、マイナス面も少なくはない」
と声を上げ、反対運動を展開している。

市長選に出馬予定の長島氏は、こうしたカジノに消極的な地元住民の気持ちを掴むために、「NO!! カジノ」と銘打ち、「カジノ反対」を全面に掲げている。

「林氏は当初、地元財界のバックアップもあるなかで、カジノによる雇用創出、経済効果を熱く語っていましたが、市長選が近づくにつれカジノについては明らかにトーンダウンしています。カジノ施設に入れるのを『外国人のみ』に限定する案も検討されている」(前述の市政関係者)

現に菅氏のパーティーでも、林市長は2019年ラグビーW杯、2026年の国際園芸博覧会誘致については多く言及していたが、山下埠頭へのカジノ誘致については触れていなかった。

 

カジノ推進派にとって、もっともあってはならないストーリーが、カジノ反対派の市長誕生である。大物国会議員、地元市長、地元経済界が三位一体となり、今日まで「山下埠頭カジノ構想」を推し進めてきた。林市長が出馬を表明しないか、あるいは「民意」に敏感となり、カジノ反対派に転向すれば、彼らにとっての悪夢は現実のものとなるだろう。

反対派の市長が誕生すれば、横浜カジノ推進運動は大きく後退し、佐世保市や大阪市といった他の自治体に大きく水を開けられる。それを一番警戒しているのは、カジノの横浜招致を目論んでいる菅官房長官その人である。官邸の運営は万全でも、自分のお膝元が揺らぐようでは示しがつかない。

であるからこそ、林市長にプレッシャーをかける意味でも、自身のパーティーに彼女を主賓扱いで招いたのだろう。

「春の集い」では、歴代最長の官房長官の絶頂を見せつけられた一方で、菅氏が内に抱えている不安を垣間見た気がする。7月30日の横浜市長選に向け、激しい綱引きが今も水面下で行われている。