「がん検診もワクチンも、全ては医者のカネ儲けの手段である」

あのベストセラーから5年。近藤誠の警告
近藤 誠 プロフィール

ワクチンも必要ない

――結果的に先生は2014年に慶應病院を定年退職するまで勤めながら、がん治療を批判し続けた。プレッシャーもあったのではありませんか。

「大変でしょう、とよく言われたけど、自分ではあまり感じたことはないんです。教授になれなかったのはいじめではないか、といってくれる人もいたけど、どこに理由があるかはわからないからね。そもそもどの大学病院も、こいつ気にくわないからと言って追い出すことは不可能なんですよ。

だけど前述した『乳ガンは切らずに治る』という論文を発表した翌日から、外来患者がピタっと来なくなった。放射線科の患者は他の診療科から紹介されてくるケースが全部だから、そのままだと商売あがったり。それで居心地が悪くなって辞めざるを得なくなるだろうと考えたのかもしれない。

でも、僕は辞めずにすんだ。意見を発信することで患者さんが直接診て欲しい、治療してほしいと集まってきたから。1990年代前半は日本中の乳がん患者の1%が僕のところに来ていました。大学としてもその盛況ぶりを見れば、僕をいじめて辞めさせるわけにはいかないじゃないですか」

――本書が出て5年、多くの雑誌が「このクスリを飲むな」「この手術はするな」といった記事を掲載するようになりました。火付け役の先生から見て、今の世間の状況はどう映っていますか。

「いい方向に向かっているのは間違いない。多くの人が医療に問題があることに気づくことになったという点で素晴らしいです。

ただ、患者さんの行動がどれだけ変わったと言えば、まだまだ満足できる状態とは言えません。メディアの扱いで不満を感じるのは、がん検診。ほとんどは『いい検診と悪い検診』があるといったトーンで、検診をまったく否定しているものは見た記憶がない。

 

検診を受けて早く見つけることは長生きにつながると多くの人は思い込んでいるのでしょうが、それは錯覚・誤解です。生活習慣病も同じで、例えば最高血圧の基準は長い間160mmでしたが2008年のメタボ健診では130mmに引き下げられた。

50過ぎれば上が130mmというのはごく普通ですから、多くの人が高血圧患者にされ、治療されることになった。すると血圧は下がるかもしれないけど、早死にするリスクが高くなることは世界中の大規模追跡調査で証明されている。検診の数値など気にする必要などありません」

――本書で充分触れなかったもので最近、気になることはありますか。

「そうですね、ほぼすべてのワクチンも必要ありません。高齢者に打たせている肺炎球菌ワクチンなどその典型。有効性を示す論文というのも、非常に不完全な観察に基づいた、ある種のインチキ論文で、それを都合よく利用して、ワクチン接種を制度化しただけです。

具体的には、介護施設という特殊な環境で行った実験結果を元に、元気な高齢者にもワクチンをすすめることにした。どう考えてもおかしいでしょう。それでも制度化されたことで、毎年100億円というお金が製薬会社に入っている。それは皆さんが払った税金ですよ。

より身近な例ではインフルエンザのワクチンもまったく必要ない。理由は簡単で、効かないから。

インフルエンザも昔は流行性感冒と言っていたようにただの風邪。しかもインフルエンザは突然変異で形がどんどん変わるから、ワクチンなど効果があるはずがない。新型のインフルエンザが出た、パンデミックの危険がある……と騒ぐから不安になのだけど、単なる情報操作に過ぎません。

2009年にパンデミックになるぞ、危険だぞとしてWHOが最高の警戒レベルにしたのを覚えていませんか。確かに新型でしたが、インフルエンザの症状は従来のよりも弱かったんです。WHOも今は製薬会社の寄付金で成り立っているわけで、だれのために働いているかは想像すればわかるでしょう」