5月20日のドナルド・トランプ米大統領の初外遊先がサウジアラビアであったことは、日本ではその詳細が報じられなかったが、世界の外交コミュニティで大きな話題となった。
米外交史上のなかでも異例と言っていいほどの出来事だった。まず大統領の随員。
ホワイトハウスからラインス・プリ-バス大統領首席補佐官、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問=イバンカ・トランプ大統領補佐官夫妻、ゲイリー・コーン大統領補佐官(経済担当)、ステファン・ミラー大統領補佐官(政治担当)、スティーブン・バノン大統領首席戦略官、そして主要閣僚のレックス・ティラーソン国務長官、ウィルバー・ロス商務長官らである。
トランプ政権のオールスターキャストだ。ホワイトハウス留守役のマイク・ペンス副大統領と、ヒューバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、ジェームズ・マティス国防長官、スティーブン・ムニューチン財務長官がワシントンに残っただけ。
そのマティス国防長官も25日にベルギーの首都ブリュッセルで開かれたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議のトランプ大統領出席に合わせて現地で合流している。
プリーバス大統領首席補佐官は、日本で言えば菅義偉官房長官に当たる人物であり、安倍晋三首相外遊に菅官房長官が同行することは我が国ではあり得ない。
閣僚級の大統領補佐官以外にも、国家安全保障会議(NSC)ナンバー2であるディナ・パウエル大統領次席補佐官(国家安全保障担当)、大統領のシェルパ(個人代表)であるケネス・ジャスター大統領次席補佐官(国際経済担当)、アレクッス・グレイ大統領次席補佐官(通商担当)らも同行した。
ホワイトハウス丸ごとの大統領外遊である。