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スーパーライト級の最強王者候補クロフォードが“聖地”に初登場!

パッキャオとの世代交代戦への布石か?
杉浦 大介 プロフィール

いよいよパッキャオ戦へ?

クロフォードの周囲では、元6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)との世代交代戦を期待する声が後を絶たない。

パッキャオにとって、クロフォード戦はハイリスク・ローリターンか Photo By Ed Mulholland/Top Rank

パッキャオは7月2日にオーストラリアで当地のプロスペクト(有望株)、ジェフ・ホーンとの復帰戦を開催予定。その後の対戦はスケジュール的にも理に叶う。両雄は同じトップランク傘下だけに、本来はこのファイトの実現は難しくないはずである。

「(ディアス戦を)好内容で終えれば、テレンスは夏にも試合を行う。(パッキャオ戦開催は)その後の秋を目指していく。パッキャオ対クロフォード戦は大きなイベントになるか? それは間違いない。人々はこの試合を見たがり、支持してくれるはずだ」

18日の最終会見時には、トップランクのボブ・アラムもそんな風に語ってはいた。

もっとも、百戦錬磨のプロモーターからは、どうもパッキャオの名前をクロフォードの売り出しに利用している印象も受ける。クロフォード側には願ってもないファイトでも、38歳になったパッキャオがこのリスキーな試合を望むかどうか。

現実的には、先月にWBA、IBFスーパーライト級王座を統一したばかりのジュリアス・インドンゴ(ナミビア)とクロフォードの4団体統一戦の方が可能性が高そうである(指名戦の関係でIBFタイトルは早々に返上の噂もあるが)。20日の試合はインドンゴもリングサイドで観戦するそうで、その絡みからも目が離せない。

いずれにしても、クロフォードが真の意味で全国区になるために、何らかのビッグファイトが不可欠。ディアス戦をクリアした後、関係者からどんな言葉が出てくるかにも注目が集まる。

 

リオ五輪銀メダリストにも注目

この日の前座カードの中で、楽しみなのはリオデジャネイロ五輪バンタム級銀メダリスト、シャクール・スティーブンソンがプロ2戦目を行うことだ。

アマで輝かしい実績を残したスティーブンソンは、4月22日にカリフォルニア州での興行で5ラウンド負傷判定勝ちでプロデビュー。ニューヨークのお隣りニュージャージー州ニューアーク出身だけに、今回の試合でも大歓声を浴びるはずである。

まだ線の細いスティーブンソン。稀有な好素材であることは間違いない Photo By Ed Mulholland/Top Rank

「地元の人たちの前で試合ができるのが本当に楽しみ。待ちきれないよ。(デビュー戦よりも)快適に感じている」

多くの国際舞台に立ってきたこともあってか、鳴り物入りの新人は地元凱旋試合にも大きなプレッシャーは感じていないようだ。

ただ、実際に顔を合わせてみると、やはりまだ19歳。表情、仕草にはあどけなさが残り、体格的にもまだ子供との印象を相手に与える。4月のデビュー戦でもパワー不足ゆえに、大きな山場は作れなかった。

“メイウェザーの後継者”といった過剰な期待が浴びせられているが、少し長い目で見てあげる必要がありそう。今週末のカルロス・カストン・スアレス(アルゼンチン/6勝(1KO)3敗2分)でも、勝ちは間違いなくとも、鮮烈なKOが約束されているとは言い切れない。

まずはポテンシャルの一端を何らかの形で誇示し、地元ファンを喜ばせるのが2戦目の目標と言えそうだ。