中学受験「カリスマ先生」田代敬貴が教える
「筑駒の国語」攻略法

寺子屋式で生徒13人中、筑駒5人、開成7人、駒東3人合格
田代敬貴

 そして、4つのタイプを攻略するために私が必要だと考えている<技=スキル>がすべて生かされる設問なのだ。それらの<技>を列挙すると次のようになる。

「要約型」=<書く前に材料をそろえる>
<答案のわく組みを考えてから書く>
<パーツとセメダイン方式で答案を書く>
「理由説明型」=<答えのポイントを短い言葉で考える>
「換言型」=<わかりにくい言葉を部分的にわかりやすい言葉に言い換える>
「体験型」=<長い一文を書かない>
<情報の「引き出し」を探す>
< 「いつ・どこで・だれが・何をして・どうなった」をハッキリさせる>

 興味のある方は、拙著『田代式中学受験 国語の「神技」』(講談社刊)を参照していただきたい。

【2】は、「ヒャクブンはイッケンにしかず。」のカタカナを漢字に直し、丁寧に大きく書きなさいという問題である。漢字と書写の融合問題で、2005年度から続いているパターンである。

 圧巻は口三で金子みずゞ「月のひかり」という30行の詩を題材にした記述問題である。全六問のうち「どのような情景ですか」という問いが2問ある。一つは「月のひかり」が「影を瓦にすててます」という情景。「影=月の光」という注が付けられている。

 もう一つは、明るい街を歩く人たちの「電燈のかげ」が「ひと足ごとに、濃く、うすく、/伸びてはちぢむ」という情景である。情景を説明するためには<映像化>という頭の働きが不可欠である。

 私の教え子たちは、問題用紙に絵を描いて考えたはずだ。ことばを<映像化>するというトレーニングを受けていない受験生は、何をどう答えればよいか戸惑ったにちがいない。

 また、別の2問には「どのような存在として表現されていますか」という問いが設けられている。対象となるものの一つが、「月のひかり」が夜あけまで光をあてつづける「こわれ荷ぐるま、やぶれ傘、/一本はえた草」であり、もう一つは「月のひかり」である。

 擬人化されたこれらの存在を抽象化してとらえなければならない。ここでの抽象化とは、人間存在の次元に高めて考えることである。

 私は前記の拙著の中で、<映像化して(絵に描いて)読む><人間・人生に結び付けて読む>ことを、詩の理解のための<技>として挙げているが、この二つの<技>がこれほど生かされる問題に巡り合ったのは初めてである。また、私は毎年小6のクラスで、金子みすゞの授業を2回行っている。