所得格差3倍のトップとビリが激突!港区と足立区、住むならどっち?

それぞれの幸せと懊悩がある
週刊現代 プロフィール

幼稚園の前に高級外車の列

続いて、竹ノ塚に並ぶ足立区の「ディープタウン」綾瀬に移動しよう。電車の便が悪い足立区において、バス路線網の拠点として栄えている町だ。

JR常磐線の綾瀬駅西口を降りてすぐ。まだ日も高いというのに、客で賑わっているもつ焼き屋ののれんを潜った。

この日はちょうど競馬の「天皇賞」の日。作業服姿でホッピー片手にラジオを聞きながら一喜一憂していた60代の男性のDさんは、すでにろれつが怪しい。

「俺はこの辺で、カミさんは西新井。一族郎党ずっと足立区だよね。不便?全然ないよ。『治安悪いんでしょ』ってよく聞かれるけど、これでも随分良くなったんだから。

今はデカい警察署が4つ(千住、綾瀬、竹の塚、西新井)もあるから、かえって取り締まりが厳しいよ。ベンチで寝たりしたら、すぐ声をかけられる(笑)。

え、港区?あんまり行かないけど、駐車場代だけで7万円って、そりゃ、ビックリだね。そのカネ俺に貸してくれりゃ、100倍有効に使ってやるってのに」

足立区は「犯罪多発地域」というステレオタイプなイメージがあるが、Dさんの言う通り、近年の犯罪件数は減少傾向にある。

むしろ、人口あたりの件数で考えると、23区の中でも真ん中より下。「極端に治安が悪い」というレッテルは、もはやあたらないことがわかる。

「そうは言っても、やっぱり、『昔の事件』の記憶もありますから、怖い場所っていう印象はぬぐえませんよね。もし子供が何かに巻きこまれたら嫌ですもの……」

表情を曇らせるのは、俗に言う「シロガネーゼ」の30代女性・Eさん。

Eさんの娘が通う幼稚園は、港区・西麻布の瀟洒な門構えの家屋がズラリと並ぶ場所にある。セレブたちがこぞって子供を入れたがる「名門中の名門」だ。

9時頃になると、園の入り口に次々と車が止まり、子供たちが降りてくる。ベンツの高級モデルSクラスやマセラティなど高級外車ばかりがズラリと行列をなす。

この日、足立区で見られたように自転車の後ろに子供を乗せた父母は、ひとりもいなかった。

「あそこに限らず、港区の幼稚園は基本的に車での送り迎えが基本です。大使館が多く、警察の警備も抜かりないので安心。送り迎えのあとは、ママ友たちとの『ママ会』があります。場所は、ホテルのラウンジが多いかしら」(Eさん)

悩みと言えば、子供を遊ばせる場所が区内には少ないことくらい。

「人工的な緑はあるんですけど、思いっきり駆け回れるような広い場所は少ない。ママ友の中には『東京ディズニーランド』の年間パスポートを購入して、子供たちを公園代わりに毎日のように連れて行っている人もいます」(Eさん)

ディズニーランドの年間パスポートは、大人が6万3000円、子供が4万1000円。2人合わせると10万円を越えるが、毎日公園代わりに使うことを考えたら、「おトク」ということか。

ディズニーPhoto by GettyImages

一見、贅沢気ままな「ママ友ライフ」を謳歌しているように見える港区ママたち。

だが、口にこそださないものの、港区の親の間には歴然とした「階層意識」があるのだという。

「やっぱり、幼稚舎(小学校)からエスカレーターで慶應というのが、ベストなんです。別にステイタスを求めているのではなく、それが一番安心できる環境。

あそこの保護者は、互いにどの辺に住んでいて、どんな仕事をしているかを知っていますから。『変な方』が混じりにくい」(Eさん)

子供の身を守る一番の選択肢が「幼稚舎から慶應」というわけだ。

 
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