『ブラタモリ』が僕らの「知的興奮」をくすぐる理由

絶滅の危機に瀕した「地学」を救え!
山崎 晴雄 プロフィール

「地」を生業にする我々は、高校「地学」の衰退に危機感を持ち、どうやったら「地」を社会に広く受け入れてもらえるのか心を砕いてきた。そのヒントになったのがブラタモリなのだ。

ブラタモリは地形を囲むいろいろなことが関わり合って現在の姿を形作っていることを説明してくれる。一見無関係のことが、実は深く関係しているという、この関連性が判ることが面白さなのである。

そこで、本書の執筆では地表のいろいろな事象の互いの関連性を明らかにすることを一つの目標にした。しかし、一番大事なのは、普段、空気のようにその存在を知ってはいるが、全く気にしていないことに、なぜだろう、どうしてだろうという疑問を持ち、その答えに「ああそうだったのか」とうなずいてもらえる話題を見出すことであった。「富士山はどうして美しいのか」などがその代表的な話題である。

 

そしてそれを、多くの人に理解してもらえるように専門用語や難しい言い回しを避けるようにして書いた。また、理解を進めるために「たとえ話」もたくさん入れた。

こうしたのは、新しい知識や情報は、個人の持っている既存の知識や経験と照らし合わせて初めて理解できると考えているからである。理解できない知識は単なる暗記になってしまうのだ。

こうして書き上げた『日本列島100万年史』だが、不十分な点を挙げたらキリがない。日本列島の中には、みんなが納得してくれるような面白い話題がまだまだ沢山ある。それらを見出して、皆さんに新たな知的興奮をこれからもお届けしたいと思っている。

日本列島100万年史

読書人の雑誌「本」2017年6月号より