フジ『ワイドナショー』が圧倒的人気を得た「これだけの理由」

松本人志「安心と信頼」の正体
前川 ヤスタカ プロフィール

新興宗教の脱会問題で世間を騒がせた飯星景子がアシスタントとしてこの番組に起用されたり、不倫問題で報道番組を降板していたキャスターの山本モナがスイカのかぶりものをしてこの番組に登場したりと、復帰といえばお笑いウルトラクイズの時代が確かにありました。

そして、たけしは全力で各芸能人のスキャンダルをいじり、笑いに変えることで本格復帰に手を差し伸べていました。

ご存知の通り、ビートたけし自身もフライデー襲撃事件から謹慎期間を経て復帰した過去があります。

彼の場合は謹慎期間は約半年。コンサートから少しずつ復帰を進め、ラジオのオールナイトニッポン復活放送後に並みいる芸能記者を集めて会見し、その後テレビ復帰を果たしました。

ビートたけしPhoto by GettyImages

復帰会見では「復帰することを心待ちにしている人もいれば、まだ早いという奴もいる。ただ、どんな芸能人にだって両方いるし、復帰させるかどうかを決めるのは俺じゃなくて局。俺は仕事をくれる人がいるからやるだけ」

「子供がいじめられているので、それを止めたい。復帰する大きい理由の一つはそれ」と神妙に語るとともに、随所に笑いもちりばめ、厳しい質問に対して堂々と返しました。

 

ただ、これは彼が強いカリスマ性と巧みな話術を持った芸人だったから、たった一人でもできたこと。ただただ世間に叩かれるだけの芸能人が堂々と復帰をしてそれを笑いにかえるなんてことは普通できません。

だからこそ、彼は弱いものに手を差し伸べ、自分の番組で笑い飛ばしてあげる役割を担ったのだと思います。

信頼され続ける「松本人志」

「ワイドナショー」の番組開始当初、松本人志がコメンテーターを務めると最初に発表されたとき、世間の反応はかなり否定的なものでした。

笑いにストイックであるがゆえ、彼はカリスマだったのであり、それが一番遠いワイドショーコメンテーターなんてという反応が大半でした。

しかし、今は「松本人志がワイドショーコメンテーターから一番遠い」からこそ、あの場所に起用されているのだとわかります。

彼が、芸能記者やコメンテーターとは真逆の立場から渦中の芸能人の気持ちを汲み取り、笑いに変えていく限り、芸能人の復帰場所として「ワイドナショー」の独り勝ちが続きそうな気がします。