週休3日、定年廃止で業績が伸びた!ある地方企業の「逆張り戦略」

アキ工作社・松岡社長に聞く【前編】
松岡 勇樹 プロフィール

週休3日をただ休むだけではダメ

もう1つ、創業以来少しずつ伸びていた売上が、2012年に初めて落ちたということもありました。

うちの会社は毎年、干支(えと)の動物を段ボールで作っていまして、売上に占める比重が大きい製品です。2012年の干支「辰」(たつ=竜)は人気があって、発売した2011年の売上がすごく良かったんですね。でも、次の「巳」(み=蛇)は動物としてあまり好かれていないせいか、製品も人気がなく、辰よりも売上が1000万くらい減ってしまいました。

残念でしたが、干支は勝手に変更できないので仕方がありません(笑)。

そんなこともあって、2012年に落ちた利益を再び上げるために何をすればいいか、真剣に考えざるをえなくなりました。

 

普通であれば、もっと時間をかけてより多くの製品を作り、たくさん売って、お金に換えることを考えますよね。僕自身も最初はそうしようかと思ったんですけど、どうしても好転するイメージが湧きませんでした。

仕事をする時間が長くなれば、当然、社員たちのモチベーションも落ちるだろうし、ミスも出やすくなるし、精度の高い設計もできにくくなります。

そこでふと、「では逆に張ったらどうだろう?」と思いついたんですね。従来よりも働く時間を短くして無駄をなくし、集中して、フリーな時間を増やしてみたらどうか、と。

アキ工作社の社屋社屋は廃校となった小学校

そんなふうに、単純な「逆張り」の発想から生まれたのが、金、土、日と休みにする週休3日制のアイディアでした。

すぐに行動に移せるところは、小さい会社のメリットです。僕はアイディアを思いつくと、さっそく翌週の朝礼で社員たちに話してみました。

「今までは月曜から金曜にかけて仕事をしていたのを、金曜を休みにして、週休3日にすることを考えている。いろいろな問題は出てくるだろうが、思い切ってチャレンジしてみないか」

皆、最初はびっくりしていましたが、「やってみたい」という反応でした。そこで、2013年の6月からスタートしたんです。

会社の中でも、特にデザインを考えるクリエイターには、フリーになってぼーっとしながらあれこれ考えたり、いろいろなものに触れて刺激を受けたりする時間が必要です。

クリエイター以外の人間も、自分の技術をきちんとスキルアップしようとすれば、土日の2日間では足りなくて、自由に動ける時間やいろいろなものを吸収する時間がもっと要るんじゃないか。週休3日とは、その思いを中心にイメージして組み立てた時間割なんです。