さんまとしのぶ「伝説の恋物語」共演から結婚に至るまでの「秘話」

日本中が沸いた二人の関係
週刊現代 プロフィール

さんまの「遅刻事件」

小川 私はレポーターが本職ですから、初めは戸惑いがありました。記者発表のときも、「みんな、どんな顔をして私を見るんだろう」と、控室に入るのが嫌で。マイクを持っていないと強気になれないんです(笑)。

生野 でも、撮影が始まると、すぐに溶け込んでいましたよ。台本もギリギリだったから、最初は大変だったでしょう。

小川 はい。それにレポーターは見た状況や自分で書いたことをしゃべるので、台詞を覚えるという感覚が分からなくて。よく「てにをは」を変えちゃって、途中で、「ちゃんと台本通りに言ってください」と怒られました(笑)。

沼田 小川さんは球場のウグイス嬢の役でしたね。それぞれの役の職業は鎌田先生が決めるのですが、スタッフはその職業についても取材させられるんですよ。池上季実子さんが演じた千明は為替ディーラーの役なので、実際に金融関係の人に取材したりと、いい勉強になりました。

小川 共演者のみなさんにも助けられました。奥田瑛二さんが「本職はレポーターかもしれないけれど、ここには役者としているんだから気にするな」と言ってくださったんです。それで、肩の力が抜けた気がします。

生野 奥田さんは男性陣のリーダーという感じで、みんなをよくまとめてくれていましたね。ただ、カメラが回っていないドライリハーサルで、賀来千香子さんにいきなりキスをしたときは、周りのスタッフもちょっと息を飲んだ感じがあった。

沼田 通常、ドライリハーサルでは段取りを確認するだけで、本当にキスはしませんからね。

生野 そう。だから、パッと離れた瞬間、千香子さんの目も点になっていた(笑)。でも、私は「やるなぁ」と思いました。最近はアングルによっては本番でもキスをしない役者がいるけれど、それはちょっと違うと私は思う。後になって、千香子さんも「いい経験になった」と言っていました。

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沼田 さんまさんも片岡鶴太郎さんも売れっ子でしたから、7人全員が揃うシーンの撮影は大変でした。他局の夜の番組に出演していた人もいたので、全員が集まるのは深夜の12時頃。それから撮影が始まり、終わったときには明るくなっていたこともありました。

小川 撮影が終わって家に帰ると、いつも朝の番組の車が迎えに来ていて、もう大変だった。

生野 昼間の屋外ロケがあるときは、深夜にスタジオ撮影をして数時間後には出発しなきゃいけない過密スケジュールだったからね。

沼田 みなさん、ほとんど眠っていませんでしたよね。ただ、マイクロバスで移動するときも、さんまさんだけは絶対に眠りませんでした。

生野 そうそう。移動中はずっとしゃべっていた。いつも隣に座っていたしのぶさんから「ねぇ、わかってる? みんな眠りたいと思っているよね」と注意されても、「ホンマかいな。みんな、俺の話が聞きたいのとちゃいまっか」と、あの調子で答えていました(笑)。

沼田 さんまさんは、遅刻でもしのぶさんから怒られていました。

生野 遅刻が多かったから。あまりに多いので、あるとき、しのぶさんと一緒にさんまさんを脅かしてみたんです。しのぶさんに隠れてもらい、遅刻してきたさんまさんに「大変です。しのぶさんが怒って帰っちゃいました」とADが伝えた。

ところが、それを聞いたさんまさんは、「さいでっか。すんまへんなぁ。ほな、今日は終わりでんな。お疲れっス!」と言って帰ろうとしたので、しのぶさんが出てきて、「何、言っているの!」って怒ったんです(笑)。

小川 ハハハ。いかにも二人らしい。ドラマの良介と桃子そのままです。

 

生野 その後、現場に向かう途中も、さんまさんは「堪忍してくれ、言うとるやないか」とひたすら謝っていました。でも、「何言ってるの、あんた。みんな笑っているけれど、スタッフがどんな思いをしているのか知っているの?」と、しのぶさんの怒りは収まらない。

その様子を見ていたプロデューサーの武さんは、「二人で夫婦漫才ができるわ」と笑っていました。

小川 でも、さんまさんもちゃんとフォローはしていたみたい。しのぶさんの誕生日に時計をプレゼントしていましたよ。

生野 へぇ、そうだったの。でも、二人に限らず、あのときのメンバーは結束力が強かったよね。移動もキャストとスタッフ全員が一緒のマイクロバスに乗っていた。

沼田 みんなで集まってお酒を飲むシーンでは、みなさん本物のお酒を飲んでいましたね。

小川 しのぶさん、千香子さん、さんまさんの3人以外はみんな本物のお酒を飲んでいました。最初は偽物のビールが用意されていたのですが、私が一口飲んで「不味い」と言うと、奥田さんと季実子さんが「やっぱりホンモノじゃないとおいしくない」とおっしゃって、ホンモノのお酒が出るようになったんです。

生野 だから、本番になると、ほんのり顔が赤くなっていくんだけれど、リアリティがあって、とてもいい感じだった。