鈴木敏文セブン&アイ元会長「流通崩壊? 私ならこう解決する」

変化を当たり前と思え!
週刊現代 プロフィール

「全部予見できたことです」

――セブンイレブンが西濃運輸と業務提携するのも「変化に対応するため」ということでしょうか。

「今一世帯あたりの人数が減って、高齢化も進行している。そうすると、いちいち買い物に出かけることが困難になってくる。

だから配送サービスに力を入れるのは当たり前のこと。人手不足だなんだと言いますが、人々が宅配を求めているのだから、それに応えないと生き残れない。

こういった時代が来ることは、全部予見できたことです。だから僕は20年も前から宅配をやってきた」

――鈴木さんがセブンイレブンの会長時代に肝いりで始めた「オムニ7」(実店舗とネット販売を連携し、複数のチャネルで顧客と接点を持ち購買につなげる戦略)についてはどうですか? ネットで購入した商品をセブンの店頭で受け取れるようにするなど、改革は進んでいるように見えますが。

「まだまだ全然だね。みんな言葉では『オムニ、オムニ』って言っているけど、本当のオムニ戦略をわかっていない。

つまるところオムニ戦略とは、ただのネットとリアルの融合ではなくて新しい『商品開発』なんですよ。でも今の経営陣は、ネットばかり考えているから、そういう発想が生まれてこない。

今の時代の消費者が求めている商品を、もっともっと開発していかないといけない」

そう力強く話すと、鈴木氏は自宅へと戻って行った。

目標は常に高く、それを達成するために厳しいハードルを課す――カリスマ経営者の「胆力」はいまだ健在だ。

「週刊現代」2017年5月6日・13日合併号より