小泉・安倍・小池「三者"怪"談」その全内幕を明かそう

【緊急寄稿】あの夜、料亭で何が?
常井 健一 プロフィール

来年の予定は?

小泉は黒革の手帳を開いた。が、来年分のスケジュール欄が入っていない。仕方なく年末のところに「2018年4月18日」の予定を書き込んだ。集合写真を撮ろうという話にもなり、参加者のカメラには「同窓会」の様子が収められた。

宴もたけなわになった頃、再び安倍が1階に現れた。その時、安倍と小池がどういう会話が交わしたかは、店の外で待ち構えていた敏腕記者たちの報道を参照されたい。

新聞の「首相動静」によると、21時45分に安倍は「津やま」を後にした。続いて、小池、二階と続き、最後に小泉が山崎、武部が出てきた。

実はその演出を手掛けたのは、小泉だった。

店内の一行は、外に待ち構えているマスコミの数が会合前より膨れ上がっていることに気づいていた。明日の新聞に何を書かれるかわからない。しかし、総理時代にメディア対応のマエストロとして鳴らした小泉は、「役者たち」をスポットライトが照らされた「舞台」に立たせる順序を即座に考えた。

「現職総理より先に出たら失礼だ」

小泉はそう言って、安倍を先に帰した。次いで、小池に帰宅を促した。「ニュースの主役」をテレビカメラの前に送り込むと、巨大与党の幹事長である二階の背中を叩いた。

その後、小泉は残った2人と店内で時間をつぶした。22時過ぎ、外に出るとまだカメラは残っていた。

あとは、テレビや新聞で報道された通りだ。

 

「もう偶然!ほんっとに、偶然!!」

小泉は報道陣にもみくちゃにされながら、愛車のトヨタ「ミライ」に乗り込んだ。

小泉純一郎と小池百合子報道陣に囲まれもみくちゃになる小泉氏(撮影・西原秀)

「事前にわかっていたら、断っていたよ。あれ、憶測は何とでも書けるから。あんなメンバーが集まったら何書かれたって、文句言えねえよ」

後日、小泉は周囲に笑いながらそう語っている。

山崎、武部に安倍も加わったことで、小泉政権時代に3人いた全幹事長が一堂に会することになった。だが、来年開かれる「第2回」のメンバーに安倍は含まれていないという。

その理由を小泉はこう話している。

「その頃、安倍さんはまだ総理しているんだから」

常井健一 とこい・けんいち 1979年茨城県生まれ。旧ライブドア、朝日新聞出版を経て、オーストラリア国立大学客員研究員。2012年末からフリー。17年、第23回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞(作品賞)を受賞。著書に『小泉純一郎独白』『保守の肖像 自民党総裁六十年史』など