小泉・安倍・小池「三者"怪"談」その全内幕を明かそう

【緊急寄稿】あの夜、料亭で何が?
常井 健一 プロフィール

「よく来るなあ。度胸あるなあ」

「こちらでいいの?」

講演会場から駆け付けた小池は、下座の小泉にそう話しかけると隣に座った。「議長席」に山崎、上座に武部と二階。天下分け目の都議選を前に神経戦を繰り広げている二階と小池は、向かい合う形になった。

実は、そこにはもう一人のサプライズゲストが来ていた。

「総理が来るまで、よろしいですか」

声の主は、ニトリホールディングス会長の似鳥昭雄。安倍の会食相手だ。ニトリは安倍の祖父である岸信介が熱海に構えた別荘を買い取り、会社の保養所として所有している。そんな関係もある。

その似鳥は武部とは同郷、二階とは昵懇である。昨夏、北海道であった二階派の研修会に講師に招かれ、二階たちをニトリがスポンサーの花火大会に招待した。

似鳥の登場に最も興奮していたのは、小泉だった。

 

「1億円、ありがとうございました」

小泉は似鳥の顔を見るなり、立ち上がって声を上げた。

小泉純一郎筆者は1年半前、小泉氏に単独インタビューを行った。やはり、指定されたのは「津やま」だった(筆者撮影)

小泉は原発ゼロ運動の傍ら、東日本大震災時に「トモダチ作戦」として救援活動に当たった米兵の中で健康被害に苦しむ人々の支援をしている。その活動に共鳴し、小泉が昨年立ち上げた基金に「1億円」をポンと振り込んだ経済人こそが似鳥なのだ。

20時過ぎ、狭い店内は物々しい雰囲気に包まれた。SPを帯同した総理のお出ましだ。

小泉たちがいる小上がりは玄関から丸見えの造りになっている。安倍は彼らに気づき、軽く挨拶だけして似鳥と2階の座敷で晩酌を始めた。

「これから自民党と対抗しようとしているのに、総裁、幹事長経験者が集まっているところによく来るなあ。度胸あるなあ」

小泉は終始、そんなふうに小池を絶賛。その後も、二人を中心に話は弾んだ。都政、原発、外交……。いつしか背後にあるカウンターは満席になっていたが、小泉は客たちの「熱視線」を気にすることなく、いつもの調子で語り続けた。

持論の「原発ゼロ」でも一席ぶったが、二階の反応は芳しくなかった。小泉が〝原発推進勢力〟と目する経産省に近く、原発再稼働を進める安倍政権を支える立場でもあるから無理もない。

その間、小泉たちのテーブルには季節の肴が次々と運び込まれ、終盤に名物の鯛茶漬けが出てきた。常連の小泉だけは稲庭うどんをオーダーした。それもお決まりのパターンだ。都議選で対峙する小池と二階、そして安倍のニアミスを周囲は固唾を呑んで見守る中、小泉だけがマイペースだった。

「来年の4月18日、同じメンバーでここに集まろう」

上機嫌の小泉はそう切り出した。