韓国新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)に相次ぐスキャンダル

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その焦りからか最近文候補側が攻撃目標を安哲秀に定め、ネガティブキャンペーンを展開していたことが明らかになった。

韓国の選挙戦に欠かせないものが、インターネット、SNSを通じた世論の醸成だ。例えば、インターネット掲示板やポータルサイトのニュースのコメント欄に、数十、数百人が特定候補に有利なコメントを残し、これに対し、「推薦(いいね!)」を集中させる。そうすることで、コメントが上位に表示されるようにして、自分たちが世間に示したいコメントがあたかも最も支持を集めた世論であるかのようにみせるのだ。この方法は対立候補へのネガティブキャンペーンにも応用される。

それを利用したのが文候補の選挙本部戦略企画チームだ。そのチームから流出した内部文書がマスコミに公開されたのだが、その文書には安候補に対する批判的な世論を作る方法、そして攻撃に利用する具体的「キーワード」までも記載されていた。

これまで事ある毎に対立候補たちがネガティブキャンペーンを行うことを批判してきた文候補。選挙チームの不祥事とはいえ文候補側がどれだけ安候補を意識しているのか見て取れるだろう。

文在寅と安哲秀文在寅(左)と安哲秀(右) photo by gettyimages

次悪か、隠れ保守に賭けるか

文在寅候補は2012年の大統領選挙において48%の票を得たが、51%の票を得た朴槿恵に惜敗している。今でも確固とした支持層、そして人気は健在であるが、現状を見る限り2012年の選挙の時ほどの支持率を回復することは難しいとみられる。

とはいえ、保守政党の候補である洪候補と劉候補が、安候補との1本化の道を選択せず、最後まで選挙で戦うとしたら、保守の票は割れ、文候補に有利だ。安候補の勝利のためには、やはり、保守政党候補たちとの1本化が必要条件に近い。

だが、現在支持率3位にいる洪準杓が辞退する可能性は非常に低い。彼は元々所信を守る原則主義者であり、安哲秀とは政治的方向も異なり、連合することはできないと既に明言している。

 

そして、選挙日程が近づき、韓国では頻繁に大統領候補者TV討論会が行われているのだが、討論会が開かれるたびに、じわじわと洪候補の人気が上昇している。これも、1本化の可能性を低くしている原因の一つだ。生放送という場で、臨機応変な対応が苦手な安候補に国民たちが失望する一方で、討論では定評のある洪候補への期待が再燃している。

また、洪候補はアメリカ大統領選挙で「隠れ保守」が異変を引き起こしたように、世論調査には現れない「隠れ保守」が韓国にもいると確信している。アメリカの大統領選挙でヒラリー贔屓のマスコミによる世論調査と、実際の投票結果に大きな差異が見られたように、最有力候補である文在寅に対し忖度しているマスコミの世論調査は信用出来ないと公言しているのだ。