過熱する仮想通貨「投資セミナー」に潜入!そこで目にした驚きの実態

DVDはワンセット5万円~10万円…
藤岡 雅 プロフィール

セミナーは続く

それでもAは饒舌にノアコインの斡旋を続けている。

4月15日には新宿文化センターに1000人近くのファンを集め、「新時代投資セミナー」と銘打ったイベントを開催。フィリピン大使館の「通知」が掲載された後、初めて開かれたセミナーだったためか、焦るような口調で、次のように弁明してみせた。

「暗号通貨(仮想通貨)はそもそも国が介在しない通貨。国が正式なプロジェクトとしてやっていったら、そもそも暗号通貨じゃない。法定通貨でない暗号通貨に中央銀行が許可を出すわけがありません。

プロジェクトが大きくなればなるほど反対派の人が出てくる。そういう人がフィリピン大使館に電話をかけて問い合わせた。大使館は業務の妨げになる。だから(大使館は)通知を出さざるを得なくなっただけ」

そもそも「政財官民一体のプロジェクト」と語り、フィリピンの国家プロジェクトというイメージを与え続けてきたのは、他ならぬA自身ではなかろうか(ちなみに、前述の「フィリピン政府公認の」と表記していた販売会社のホームページは、現在では「フィリピン政官財民の有志が集まって設立した」と文言が書き換えられている)。

筆者は1月14日のセミナーに参加した際、50代の男性の参加者に話を聞くことができた。彼はすでにノアコインに100万円を投じていたばかりでなく、Aのセミナーを通じて斡旋された商品への投資額は1000万円を超えていた。

聞けばどれもリスクの高い投資案件ばかりで、中には投資した200万円が完全に焦げ付いたものもあったという。それでも男性はこう語るのである。

「私がもうからないのは、まだまだAさんのセミナーを完コピできていないからなんです」

男性は運送業者の派遣社員で、アルツハイマーの母親と二人暮らし。母親の介護に専念したいがために不労所得を得る方法に関心を持った。ネットで知ったAのセミナーに参加し、Aやその関係者から斡旋された商品にこれまで蓄えてきた貯金の全てを投じたのだという。

フィリピン大使館が通知を行った後、筆者はこの男性に再び接触したが、それでもノアコインを信じる、という言葉が返ってきた。

「ノアコインには夢をかけていると思っています」

あるときのセミナーでAはすでに「ノアコインを57億円売った」と語ったという。またノアコインを購入し、販売権を取得した「4000人の人たちがすでに30億円以上のノアコインを販売し、彼らへの報酬は5億円から7億円に上った」とも吹聴している。Aはこれまでに名古屋や福岡などでもセミナーを開催しており、ここでも多くの参加者を集めている。

仮想通貨を対象とした投資は、いまや「狂騒」と呼ぶべきほどに過熱している。投資にはリスクがつきものだが、その判断をなすためには、十分かつ明確な情報を集め、冷静に考慮する必要があることは、言うまでもないだろう。

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