急増する「死後離婚」息子が死んだら、嫁が財産持って遁走する

舅姑の面倒なんか見たくないから籍を抜く
週刊現代 プロフィール

財産が別の男のものに……

嫁といっても元はといえば他人。息子の死後まで嫁に面倒を見てもらおうとは思わないから、絶縁してもかまわない――たとえ、あなたがそう考えていたとしても、カネの話が絡んでくると、事情はそう単純ではない。

夫の死後、嫁に姻戚関係を解消され、嫁や孫と疎遠になった三嶋幸三さん(83歳、東京都在住、仮名)が語る。

「3年前に息子ががんで亡くなりました。まだ50代で現役でした。
私の妻は10年前に亡くなっていたので、それまでは私と息子夫婦、孫一人の4人暮らしでした」

家は、もともと三嶋さん夫婦が住んでいた土地に建てた二世帯住宅。名義は息子と共同のものになっていた。問題は息子の亡くなった半年後に、嫁が家を出ていくと言い出したことだった。

「『これまでお世話になりましたが、自分の両親の世話もあるので家を出ます』と一方的に告げられました。私も『家を出るなら息子の財産はビタ一文渡さない』と抵抗したのですが、息子が入っていた生命保険や遺族年金などはすべて嫁のところに入ることになっているというのです。

それどころか、いま住んでいる家を売って、財産を分割したいと言い出した。長年住み慣れた家を離れるのはいやだから、私が死ぬまでは待ってくれと言って抵抗していますが、ときどき催促の連絡が来ます」

三嶋さんは結局、いまは二世帯住宅に一人で住んでいる。掃除も行き届かないし、いろいろ大変だが、嫁と孫は一切、顔を出さない。

「私には孫は一人しかいない。だからいずれこの家も私の財産も孫の元へ行くことになる。それをわかっていながら、嫁は自分は縁を切ったといって寄り付かない。孫はまだ子供だからしかたないが、いずれちゃんと話をつけるつもりです」

 

林田千恵さん(81歳、千葉県在住、仮名)は、もっとひどい嫁の仕打ちにあった。

「一昨年、息子が出張先で倒れ、そのまま亡くなったのです。心筋梗塞でした。嫁の元には保険金や退職金がたんまり入り、マンションを買って出て行ってしまいました。

しかも孫に聞いた話ですが、新しい男もできたそうです。まだ50代で、そういうこともあるかもしれませんが、息子の財産を巻き上げておいて新しい男と生活するなんて、あまりに虫のいい話。

面倒を見てくれとは言いません。でも、息子の財産は返してほしい。それはもともと、こちらの家のものなんですから」

これでは確かに財産を持ち逃げされたようなもので、遺された老親としては、息子の早逝を悔やんでも悔やみきれないだろう。林田さんは、現在、息子の遺産の分配をめぐって、裁判中である。

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なんと世知辛い世の中か。同じ屋根の下で何年も暮らした仲ではないのか……。そう嘆きたくなる気持ちもわかる。

だが、舅姑と嫁のあいだに、古き良き信頼関係が築かれると願うのは、もはや幻想なのかもしれない。冒頭の津田さんは語る。

「夫の保険金で近くマイホームを購入する予定です。そうしたら実家で兄嫁に気を遣いながら肩身の狭い思いをしている母を呼び寄せて、血のつながった者同士、三代仲良く暮らすつもりです」

津田さんには近く結婚する一人息子がいる。いずれはその嫁に、同じように縁を切られるかもしれないと、津田さんは早くも心配しているという。

「週刊現代」2017年4月29日号より