入社3日目で会社を辞めたくなった人へ教えたい「仕事の基本」

「新人」を3回経験した私だから分かること
戸塚 隆将

失敗への考え方

こうした経験から、まず新人がめざすべき最大の「ゴール」は、周囲の「信頼を得ること」だと考えるようになりました。信頼は、仕事を通してしか得ることはできません。「ともに仕事をするに値する人間だ」という評価が定まるまでは辛抱することが大切です。

そんな新人時代を乗り越えるための、誰にでもできる秘訣があります。世界には圧倒的な成果を挙げる「一流」と呼ばれる人々がいます。彼らの「仕事の基本」に、その秘訣が隠されているのです。

ヴァージン・グループの創業者、リチャード・ブランソン氏の「The first impression is everything. So is the second.(第一印象がすべてです。第二印象も同じくすべてです)」という言葉は、そんなときに役立つヒントとなるでしょう。

 

第一印象の大切さを説く教えは多いものです。しかしかれは「初回の成功に慢心せず、2回めも大切にしよう」と伝えたかったのではないでしょうか。

顧客との一つひとつの接点で気を抜かず、丁寧で一貫したプレゼンテーションを積み重ねることで強固なブランドは構築される。このことを誰よりも意識したからこそ、ブランソン氏は世界的企業グループを築き上げることに成功しました。

企業を「新人」に置きかえてみましょう。初日は誰でも折り目正しくするものです。しかし2日目以降はどうでしょうか。

信頼を得るためには第一関門を突破したからと気を抜かず、一つひとつの仕事で信頼を積み重ねる姿勢が大切です。一度で成功できる人はなかなかいませんし、新人に失敗はつきものです。失敗への耐性を高めて全力で仕事に取り組みましょう。

失敗の中に小さな成功を見つける

それでも失敗して落ち込むこともあるでしょう。そんなとき冷静になって振り返ってみると、失敗の中にもかならず小さな成功が見つかるものです。

テスラ・モーターズCEO、イーロン・マスク氏の言葉「It’s very important to have a feedback loop.(とても重要なのは、振り返りの習慣を持つことです)」は、失敗続きのときに気持ちを立て直す「処方箋」となってくれるでしょう。

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マスク氏は「史上最強の起業家」と呼ばれています。いくつもの企業を創業、経営し、チャレンジをやめない姿は強烈なポジティブ思考の持ち主を思わせますが、一方でかれは多くの失敗も経験しています。

マスク氏は先の言葉の後にこう続けています。「継続的に振り返り、自分がやり遂げたことと、これから改善すべきことを考え続けることが、唯一かつ最も大事なことだ」と。日頃の活動を定期的に振り返り、達成事項を確認しつつ、改善点を洗い出すことの重要性を語っているのです。

振り返りによって改善点を明確にしたマスク氏は、失敗続きのときもポジティブなメッセージを発信し続けました。綿密な分析にもとづいたメッセージは次第に投資家からの信任を得て、テスラ・モーターズは上場と追加の資金調達に成功しています。

マスク氏の言葉をふまえると、かれがしっかりと振り返りをしながらポジティブ思考をつくり出しているとわかります。ポジティブ思考とは生来の性質ではなく、意識的につくり出すものなのかもしれません。