ゼロからわかる「汎用AI」究極の技術を10年で創る大挑戦

チェコ発の「GoodAI」CEOに聞く
金井 良太 プロフィール

人工知能の発達先にあるもの

金井 では、GoodAIの目標としている汎用人工知能というのは、人間レベルの汎用性を実現するということでしょうか?

マレック 少し説明が足りなかったかもしれません。最初は当然人間レベルを目指しますが、その後は続けて超知性(スーパーインテリジェンス)を探求します。でも、超知性というのは想像することさえ難しいです。

ただ、スピードが早くなったりもっと大量のデータを理解したりという量的な意味で人間を越えると考えるべきか、あるいはこの先に別の質的に高度な知性というのが存在するのか。例えば、人間と犬を比べたら、そこには質的な違いがあるように思えます。

金井 SF映画なんかでは、人工知能が発達すると、自分自身や周囲の状況に対するアウェアネス(意識)をもつ兆しのようなものが見える場面がありますが、汎用人工知能を作っていく過程で、意識というのは芽生えると考えていますか?それとも、意識と知性というのは別物でしょうか?

マレック 意識や自己というのは、学習の過程で得られるスキルの1つとして副作用的に生まれてくるのではないでしょうか。意識を獲得することで、学習の効率を上げるように働く、役に立つ機能なのではないかと思います。

人工知能分野で研究されているメタ学習(meta-learning)や学習方法の学習(learning-to-learning)といった、ある種の自己意識といえるのではないかと思います。

エージェントの一部が、エージェントの他の部分の働き方を認識していれば、その認識している内容をつかって学習の最適化をすることができるので、意識をもつ意義があると思います。

人間レベルで、「自分が存在する」といったことを認識する意味での意識は、もっと高度なものだと思います。

他の人が同意するかはわかりませんが、知性というものが、問題を解く方法、あるいは問題の解き方を学ぶ方法と考えてみましょう。すると、実はそこには再帰性があり、問題を解く自分というものを理解することで、問題を解く自分自身をより向上させるにはどうしたら良いかということを解く必要があります。

自分自身が、ハードウェア・ソフトウェア両方のレベルでどのように機能しているかを知ることで、より良い問題解決能力を獲得することができる。

自分自身の意識を働かせることで、どうしたら自分はもっとスキルを向上させたりすることができるのかを考えることができます。そして、自分自身を最適化していくには、自分自身がどう変わっていったら良いのかということを考えることができます。

我々は単に人工知能を作って、それにひたすら学習させ続けたいというわけではありません。人間レベルの人工知能を使うことで、人間がテクノロジーを発展させていく手助けをしたいのです。

(後編「近い将来、人工知能も『学校』に通うことになるだろう」はこちら)

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