ゼロからわかる「汎用AI」究極の技術を10年で創る大挑戦

チェコ発の「GoodAI」CEOに聞く
金井 良太 プロフィール

金井 ゲーム開発のなかで、AIをつくることはあったのでしょうか?

マレック 現在のAIで注目されているディープラーニングはニューラルネットという技術ですが、ゲームの中でもニューラルネットを導入したりすることは試していました。また、ゲームの開発に従事していた時期にも、AIを作るという観点からでの勉強は続けていました。

ニューロサイエンス、心理学、ロボット、機械学習、コンピュータサイエンス……そういった関連分野から、「知能」とは何なのかを理解しようとしていました。

しかし、1つのことに集中するのが、私のやり方です。そのほうが生産性が高いのです。だから、そのころは素晴らしいゲームを作るために、ゲーム開発に集中していました。でも、今はAIに集中していて、ゲーム開発への関与はかなり減っています。

他のスタートアップと何が違うのか

金井 GoodAIは今何人ぐらいの人が働いていて、どういった人たちなのでしょうか?

マレック 20人ぐらいいて、ほとんどが研究者かエンジニアです。あとは、汎用人工知能チャレンジ(人間レベルの人工知能開発に取り組むためのコンペティション)の運営やPRに関わっている人などです。

研究者のバックグラウンドは様々で、コンピュータサイエンスやソフトウェアエンジニアがいます。数理生物学や神経科学の出身の人もいます。そして、当然ながら機械学習の専門家がたくさんいます。どこで出会ったのかというと、彼らの方からGoodAIを見つけてアプローチしてきてくれました。

これは我々のミッションが面白いからだと思います。単なるAIではなく汎用人工知能を作りたいというビッグチャレンジは才能ある研究者にとって魅力的なのだと思います。

金井 GoodAIの研究者は、機械学習だけではなくてより広い関心や専門性がある人が集まっているという印象です。今世の中に溢れている人工知能の特定のアプリケーションに特化したスタートアップとくらべて、戦略的な違いがあるのでしょうか?

マレック その点は我々にとって大事なことです。この会社が機械学習の専門家ばかりだったときには、かなり見識が狭くなりがちだったと思います。そのころは議論の内容も、普通の機械学習の話ばかりで、アイデアに多様性がありませんでした。機械学習の問題だけを解いていても、知性という問題は解けないと思いました。何かが足りないのです。

神経科学や物理学などの分野からインスピレーションを得ることが大事だと思います。経済学や経済におけるエージェントという概念もAIの開発にはインスピレーションとして役に立ちます。

他の分野からのアナロジーを働かせることで、新しいパターンを見出すことができるので、狭い分野に閉じこもらないことが大切です。一度、地図を大きく広げていろんな分野から学び、その後で細かい専門の話に入っていくのが良いと思います。

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