阪神 金本知憲 「それでも凄い! 鉄人伝説」

連続フルイニング出場の世界記録は1492試合でストップしたが・・・
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 二人が知り合ったのは広島時代の'99年。フルイニング出場記録が始まる少し前のことである。同年オフに誘われるまま、炎の護摩行を敢行。「火だるま寸前」(金本)になりつつも、得がたい充実感と出会う。本人の感想文にこうある。

〈 プロ野球の世界は、技術・体力・精神力の勝負です。体力には自信ありますが、技術の方はまあまあの自信。問題は精神力です。(中略)「行」によって、法主がよく言われる「光」、つまり内に秘めている精神を磨くことができ、これで技術・体力・精神力の三つが揃うわけです 〉

池口恵観法主(中央)と。清原和博氏(左・当時巨人)は「自分が、すごく内にこもっていることに気づきました」と述懐

 実際、本誌記者は金本と同じ条件で「炎の護摩行」を体験したことがあるが、焼かれる熱さ――激痛に耐えられず、1時間ももたずに後ずさり。眉間、鼻、口、指、ヒザが火傷でドロドロになった。近くにあった供え物の野菜は黒コゲに!

 気絶する者、逃げ出す者が続出するあの炎の中で、2時間以上も微動だにせず真言を絶叫する金本。鉄人の真髄に触れた気がした瞬間だった。だが、彼の凄さは想像以上だった。池口法主が続ける。

「清原和博(元オリックス)と同時期に護摩行を始めたのですが、彼は途中で来なくなった。金本はもう10年になります。炎を気で押せるようになったので、火傷をすることもありません。
  このレベルに辿り着けるのは全修行者の中のわずか1%。プロともなれば、みな体は鍛えています。あの子(金本)以上の腕力を持った選手もたくさんいます。ただ、彼は素直だった。私を信じ切った。清原が楽をせず修行を続けていたら、どれだけ凄い選手になったか。だが、できなかった」

 努力できることも才能である。金本が尋常ならざる精神力を身につけられたのは、間違いなく彼の才によるものだった。

 金本という名前とイコールだったといっても過言ではない連続試合フルイニング出場の世界記録。「1492」で途切れたことで、気になるのは彼の今後だ。

 「右肩の調子が戻らず、不振が続くようならば年内引退もある」と予想するトラ番記者は数多い。だが、恩師・池口法主は全否定する。

「ヒザを手術し、満足に準備もできずシーズンに入った昨年に比べ、今季はケガするまでは順調そのもの。『今年はめいっぱいやる!』と、会うたび金本は話していました。自信があったんです。もう腕は上がるようになっていますし、大丈夫でしょう。『まだまだ頑張ります。
  これからもよろしくお願いします』というメールも来ています。まだ三冠王も獲ってないし、連続試合出場記録は続いている。これからも長いですよ」

 鉄人・金本の伝説第二章は「アフター1492」から始まる。