極真"伝説の男"黒澤浩樹の勇姿は、俺たちの心に熱く生き続ける

稀代の格闘マシーンが逝った
近藤 隆夫 プロフィール

輝きを放った80年代

日本において格闘技人気が高まりを見せたのは、93年4月に『K-1グランプリ』が開催され、同年11月に『UFC』がスタートして以降だろう。

だから、一般のファンにとって黒澤は、PRIDEファイターであり、K-1ファイターなのかもしれない。でも彼の絶頂期は、そこにはなかった。

黒澤が輝きを放ったのは、80年代の熱き極真カラテの舞台である。

極真カラテ本部直轄・座間道場から城西支部に移り出場した第16回極真全日本大会(84年)。そこで強烈な下段回し蹴りを武器に初出場初優勝の快挙を達成した。

決勝では竹山晴友(のちのキックボクシング日本ウェルター級王者)をローキックで圧倒。あの時の黒澤の野性味溢れ、また自信に満ちた目が、私は忘れられない。「とんでもない男が出てきた」と東京体育館の客席で驚いたものだ。

その後も黒澤は、数多くの好勝負を残したが、もっともインパクトの強かった闘いは、あの第16回全日本大会だったと思う。

“ニホンオオカミ”ではない。

“格闘マシーン”としての黒澤の勇姿は、80年代に格闘ドラマを熱く見守ったファンの心に、これからも生き続ける。