『ちつのトリセツ』女性編集者が真面目に作った「異色本」の中身

(男性は間違った期待をしないで下さい)
週刊現代 プロフィール

なぜ「締まる」のか?

渡氏が言うように膣は身体全体の重要な「穴」と深いつながりをもっており、膣を知ることは己を知ることになるという。原田さんが言う。

「たつの先生もそう言います。たとえば、目と膣の関係。脳の中心部、目の奥にある視床下部や下垂体は、目から入ってくる光に反応してホルモンのバランスを整えていて、女性ホルモンもそこで調整されている。つまり目は、生殖機能と密接な関係があることになる。

また鼻と膣も昔から深いつながりがあると言われています。産後に体調を崩す妊婦さんは、たいてい鼻が詰まっており、膣と鼻は、その深い関係性が指摘されている」

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また、膣は女性にとっても男性にとっても快楽の源となる。そもそもなぜこんなに気持ちいいのか。東峯婦人クリニック名誉院長、松峯寿美氏がこう解説する。

「女性は奥のほうを突かれたほうが気持ちいいと思われがちですが、本当に感じるのは膣の入り口から奥へ3分の1程度までの長さです。

というのも、解剖学的にもその部分には、皮膚と同じ知覚神経が通っているんです。『性感帯』と呼ばれる箇所もそうですが、どこでも気持ちいいと感じるのは皮膚なのです。だから膣内でも皮膚と同じ感覚神経が通っている箇所は一番感じる。

逆に言えば痛みにも敏感。膣口で痛いと感じると、いくら奥に入れ込もうとしても、ダメでしょうね」

男性を絶頂へと導くあの「締め付け」は子宮を含む骨盤内にある内臓を、胴体の一番下で支えている筋肉、骨盤底筋によるものだという。松峯氏が続ける。

「膣内でペニスと接する粘膜の裏には骨盤底筋がある。だから、この筋肉を鍛えると膣の締まりがよくなります。またその筋肉には動脈や静脈があって、性的に興奮すると、ペニスが太くなるように、女性の膣も充血して締まってくる。膣は子孫を残すように本当にうまくできているのです」

膣のことを理解し、その大切さを自覚してケアに励めば、人生は好転するはず。しかし、多くの日本人女性はそれができていない。

「膣ケア」後進国日本では、膣の手入れを怠り、にっちもさっちも行かなくなってしまった女性がゴマンといる。無知と無関心で、あっという間に膣はその機能を失ってしまうのだ。

(続く)

「週刊現代」2017年4月22日号より