休暇の旅行計画、台湾に行くなら台北よりも「台南」です!

構想1年以上、川島小鳥の新作ガイドブック
川島 小鳥 プロフィール

友だち総動員で本づくり

本の構成は、形容詞を膨らませたキャッチコピーを章のタイトルにしていくことで決まった。これは今まで写真集しか作ったことがない僕にとって新鮮ですごく楽しい作業だった。

例えば、「毎日が夏休み」という章では、台南の夏休みのような雰囲気を表現しつつ、アイスやかき氷をふんだんに紹介。ランドマーク的な場所よりもずっと台南の魅力が感じられる路地裏を紹介したかったので、そこは「あの角を曲がれば」というタイトルにして、文章と写真で構成する。

他にも、「酔い鳥日記」、「腹五分目、胸いっぱい」、「超フレッシュ!」といった、ちょっとダサくて愛嬌のあるタイトルを付けた。飲み屋さん、食べ物、縁結びの神様、本屋さんなどバランスよく紹介できたと思う。本来の得意な??写真は、見るだけで台南の空気を感じて旅した気持ちになれるようにと思いをこめて、最初と最後にカラーグラビアとして入れた。

そして、写真集を作った時と同じく、友達を総動員 (笑)。

 

台南のひとたちには、有名店ではない、自分だけのお気に入りのお店が必ずあるもので、友達にアンケート用紙を配って調査。実際行ってみてよかったところを取り上げさせてもらう。

食べ物は、ハナコちゃんの食い倒れコーナーを作ってひたすら食べ歩きをしてもらい紹介。一緒に台南に行って撮影させてもらった女優の臼田あさ美さんには、日本女子代表として台南の魅力をインタビュー。さらには台湾の友人の美少年、ザオリンくんとあさ美ちゃんが台南をデートしているような撮影もできた。

青木由香さんにはその独特の視点で台南について書いてもらった。台湾の音楽シーンで絶大な人気のあるクラウド・ルーくんには、なんと台南の実家に突撃して写真を撮らせてもらうことに。ちょうど台南の大学でライブをするタイミングで、すごく貴重な写真が撮れたと思う。イラストは、台湾のアーティストの飛飛飛くんと、紅林ちゃんに描いてもらった。奇跡のように豪華なラインナップ。

そして一番大事なデザインは、『明星』でもご一緒した大好きな佐々木暁さんに。カルチャースポットを紹介する「わたしの旅」という章で、『明星』にも出てくる台湾の女の子をモデルにして撮影したとき、この本が『明星』の世界のガイドブックにもなることを感じて、佐々木さん以外には考えられなかった!

二度目の長期取材では、具体的になった本のイメージを胸にハナコちゃんと台南の街中を自転車で走りまわった! いい本を作りたいと胸を焦がしながら、また、炎天下で顔を焦がしながら、タクシーに轢かれそうになりながら走り抜けた日々はとても清々しかった。

本というものには絶対的に命が宿っていると思う。何度本を作っても毎回苦しい。でも、そこには何ものにも代えがたい歓びがある。

読書人の雑誌「本」2017年5月号より