美智子さまをも驚かせた、アッキーの「鈍感力」

ゴッドマザー・洋子もサジ投げた
週刊現代 プロフィール

これまで安倍家の内情は、洋子氏と安倍総理vs.昭恵夫人という構図で語られることが多かった。政界でも、総理と昭恵夫人はほとんどすれ違いの日々を送っており、夫婦仲は冷え切っている、という認識が大勢だった。

しかし今は、まるで「苦難にともに立ち向かうことで、夫婦の絆を取り戻した」かのように、総理と昭恵夫人の距離は急速に縮まっている。

「国会でも、昭恵さんを責める野党に、総理は顔を真っ赤にして反論していた。総理はあれだけ責められてもかたく口を閉ざしている昭恵さんに、相当感謝しているようです。

『(森友スキャンダルは)昭恵には気の毒だったよ』、『今は総理より注目されているからね。選挙に出たら当選できるんじゃないか』と軽口を言う余裕も出ている。官邸では、今までとは感じがちょっと違うな、という雰囲気になっています」(前出・官邸スタッフ)

昭恵夫人は、原発や憲法改正といった重要政策で安倍総理と食い違う、「家庭内野党」と言われてきた。しかし今回の件で、昭恵夫人を単なる「アンチ安倍」とする見方はやや表面的だった、ということが分かったのではないか。

昭恵夫人とその関係者に取材し、『安倍昭恵「家庭内野党」の真実』(文藝春秋より電子版で販売中)を著した、ノンフィクション作家の石井妙子氏が指摘する。

「昭恵夫人は、森友学園の教育方針についても、本心から感銘を受け支持していたのだと思います。森友学園は『日本唯一の神道の学校』を標榜していますから、『日本の伝統』が好きな昭恵夫人には、自然に受け入れることができたはずです。

ふつうの人が見れば一見、昭恵夫人の行動は思想的な一貫性がなく、支離滅裂に見えます。

しかし、客観的な是非はともかく、彼女の中には『日本のためにいいことをしたい』という明確な信念がある。だから、『神道を重んじるのも、被災地支援をするのも、すべて日本のためにやっていること』、『私も主人も、神に選ばれて国のために頑張っているだけ』と、心から考えているのだと思います」

Photo by iStock

お酒はやめられない

籠池氏の証人喚問の前後には、時に日本酒一升、時にワイン数本などと昭恵夫人の酒量はいつになく増え、未明になってから姑・洋子氏のいる私邸ではなく、公邸へと泥酔して帰る日々が続いていたという。しかし、安倍総理が必死でかばったことが効いたのか、そのような乱れた生活も落ち着きつつあるようだ。

前出の自民党ベテラン議員はこう評する。

「結局、総理と昭恵さんは根っこのところでは『似た者同士』なんですよ。理屈よりもその時の感情で動いてしまう。自分が信頼する人の言うことは、無条件に信用してしまう。本はあまり読まないし、学歴で人を見ることを嫌う。よく言えば先入観がない。悪く言えば、ものごとを深く考えられない」

昭恵夫人は、今年の2月以降に籠池氏の妻と交わしたメールの中で、「神様は全てご覧になっています」「何でこんなことになってしまったのか、神様は何を望んでるのでしょう」「祈ります」などと述べている。

一方で事件の前、「総理大臣になるっていうのは(中略)『神』という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、『大いなる力』が働いていると私は思っていて」(「BLOGOS」'16年11月9日のインタビューより)とも語った。

 

全ては神様の意志、運命で決まる。自分はその流れに身をゆだねるだけ――昭恵夫人がまさに「私人」として、このような考え方を持つぶんには一向に構わない。

しかし、それが例えば「特定の人物・団体への、国有地の格安払い下げ」のように、国民の具体的な利害に影響を及ぼすならば、国民にとってはたまったものではないだろう。

「ゴッドマザー」洋子氏すら匙を投げた今、昭恵夫人の「勘違い」を止めることは、もう誰にもできそうにない。

「週刊現代」2017年4月22日号より