世界が警戒する日本の「極右化」〜私たちはいま、重大な岐路にいる

森友学園や安倍政権を決して侮るな
内藤 朝雄 プロフィール

その他、『国体の本義』『臣民の道』では、自由主義、個人主義、平等主義、合理主義、普遍的人道(ヒューマニズム)、夫婦中心の家族、などあらゆる「西洋的」なものを激しい口吻で否定する。立憲主義や三権分立も否定する。

「忠を離れて孝は存せず」として親子関係も国体のものであるとし、そのような「忠孝一本」を日本の道理としている。そして、乃木希典夫妻(子どもが全員戦死した)のように、育てた子を国に捧げることを本当の親子の情愛関係とする。

「すめろぎにつかえまつれと我を生みし我が垂乳根(たらちね)は尊くありけり」というわけである。また、日々の労働の内容も、なにからなにまで国体への奉仕であるとする。

これから日本はどのようなかたちであるべきか、天皇を中心とする国体に戻したいか、戦後の自由と民主主義と個の尊厳を守りたいか、決断を迫られる時期がきた。私たちは、『教育勅語』、『国体の本義』、『臣民の道』を熟読した方がよい。

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日本に蔓延する全体主義

最後に、日本の学校が全体主義的であり、これが全体主義に抵抗がない大衆を生み出す、強力なインフラストラクチャーになっていることをつけ加えたい。学校の全体主義について知りたい方は、拙著『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』(講談社現代新書)を手にとってください。

もうひとつ、世界各国の腐敗の程度をランキングした以下の資料を参考にされたい。全体主義の国ほど腐敗がひどく、人権を尊重する個人主義自由主義の国ほど腐敗が少ないことが一目瞭然となっている。

・トランスペアレンシー腐敗認識指数(http://www.ti-j.org/CPI2016ranking1.pdf
・トランスペアレンシージャパン(http://www.ti-j.org/

山本七平は、戦争中に製粉会社におしかけたパン屋の社長が大げさな国家への奉仕の話を延々しているが、それはすべて小麦粉をまわしてほしいというビジネスの要求であったというエピソードを紹介する(山本七平『ある異常体験者の偏見』文藝春秋)。

ビジネスと政治が分かれない祭政一致の社会は、すさまじく腐敗するのである。「森友劇場」の口利きや忖度、国有地格安払い下げに関する疑惑のエピソードをながめながら、このことを思い出した。