なぜ今?「親北派」を大統領に選んでしまう韓国人のメンタリティ

元駐韓大使が激動の半島情勢を読む
現代ビジネス編集部

日本はどうすべきか

――最後に、4月6日と7日に、トランプ大統領と習近平主席との初めての米中首脳会談が開かれますが、それによって朝鮮半島情勢はどう変わるでしょうか。また、日本はその結果をどう踏まえるべきでしょうか?

武藤 トランプ大統領は、中国が北朝鮮問題で果たすべき役割を果たしてこなかったという不満を強く持っています。文在寅政権が誕生すると、韓国政府は北朝鮮問題で米国が採ろうとしている政策を著しく制約する行動に出るでしょう。中国がやらなければ米国だけでやる、という米国の主張は通じなくなります。米国はあらゆる選択肢がテーブルの上にあると言ってはいますが。

米国は、中国がどのような対応をするのか、長い時間を掛けて見守ることはできないと考えているのではないでしょうか。それが中国と協力した制裁の強化なのか、より強い行動なのか、今は予想することはできません。

北朝鮮問題の鍵を握る習近平・国家主席

近藤 私は、アメリカは北朝鮮空爆ではなく、金融制裁に出ると思います。アメリカがこれまで行ってきた数々の対北朝鮮制裁の中で、一番効果があったのが、2005年9月に実施した、マカオのバンコ・デルタ・アジアに対する金融制裁だったからです。金正日総書記の52の隠し口座、計2500万ドルを凍結させただけで、北朝鮮はパニックに陥ったのです。

 

米中首脳会談を受けて、日本として北朝鮮問題に関して行えることは限定的ですが、トランプ政権の「中国を活用する」というアプローチは真似すべきだと思います。

トランプ政権は、口先では中国を非難しつつも、実際には自国の国益のために中国を最大限「活用」しようとしています。北朝鮮問題も然りです。私はこのほど『活中論』(中国を活用するための論)という本を上梓しましたが、北朝鮮問題も含めて、日本はもっと中国を活用していくことが大事だと思います。

武藤 最後にひとつ警鐘を鳴らしておきたいのが、「テロは警備の薄いところで起きる」ということです。朝鮮半島の混乱に乗じて、日本が北朝鮮のテロの標的になることは、十分に考えられる…それぐらいの危機感は持っておかなければならないでしょう。

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