「マンション管理費横領」が全国で続発!7億使い込んだ理事長も

面倒くさいと、任せきりにしていると…
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他人事と思ってはいけない

不正の主体になるのは管理組合内部の人間だけではない。組合から委託を受けてマンションの管理業務にあたる管理会社の社員が横領に手を染めるケースもある。

東京港区、地下鉄白金高輪駅直結の高級マンション「白金タワー」で、管理責任者による横領が発覚したのは'10年6月のことだった。

白金タワーの管理組合理事長を務める星野芳昭氏が言う。

「当時の管理会社だった長谷工コミュニティから派遣されている管理責任者が、地下駐車場の利用料金1500万円をネコババしていたことが発覚したのです。事件をきっかけに理事会主催の説明会に出席したら、問題点の洗い出しや解決策の提示がまるでなされず、大きな不安を覚えました。『これは自分が関わらないとだめだな』と」

 

企業や自治体の経営改革コンサルタントを務めてきた星野氏は、次の総会で理事に就任。馴れ合いがちな管理組合の運営に次々とメスを入れた。

「例えば共用部分のカーペットの張り替え工事。長谷工のお抱えの業者から見積もりをとり、約3600万円を計上していた。あまりに高いので、契約を撤回し、競争入札にしたんです。結果、同じ品質のカーペットを当初より1000万円以上安く購入できた」(星野氏)

入札によって管理会社もゼロから選定し直し、会計に対する厳しい外部監査も導入するなど、星野氏は矢継ぎ早に改革を進めた。

いまや白金タワーは「管理組合のお手本」(前出・榊氏)といわれるまでになり、運営に悩むマンション管理組合の役員たちが見学に訪れる。

「『お宅は高級マンションだから特殊な事例でしょう』と言う方もいますが、それは違う。毎月の相当額の管理費や修繕積立金の入金があるのはどこのマンションも同じ。理事会は、それを適切に使ってマンションの価値を高めていくのが役目。いわば、ひとつの会社を経営しているようなものです。

会社であれば監査法人が入って金の流れが1円まで厳しく管理される。それが、マンションになると、住民の誰もが他人事というのはすごくおかしな話。『管理組合がいい加減なら、しっぺ返しは自分たちに来る』ということを自覚して、主体的に運営をチェックすることが、自分のマンションを守る唯一の方法なのです」(星野氏)

今この瞬間にも、あなたが支払った管理費が使い込まれているかも知れない。決して他人事ではないのだ。

「週刊現代」2017年4月15日号より