柴咲コウが気の毒でならない…大河ドラマ『直虎』つまらなさの研究

月9ドラマを見ているよう
週刊現代 プロフィール

皮肉なことに柴咲コウ=直虎に注目しなければ、『直虎』は意外と面白いのではないか……。話が進むにつれ、そんな声が多くなっている。

「龍潭寺の僧侶で、直虎の兄弟子の傑山を市原隼人が演じるなど、思わぬところにイケメンがいる」(成馬氏)

「徳川家康役の阿部サダヲと正妻・築山殿役の菜々緒の凸凹夫婦のやり取りが面白い。『真田丸』で内野聖陽が演じた家康像とは、また異なる味のタヌキっぷりですね。大河ドラマ好きとしては、そうした支流で良い所を見つけて、自分を慰めながら観ています(笑)」(碓井氏)

阿部サダヲは家康を13歳から子役なしで演じたことも話題となった。

第11話「さらば愛しき人よ」では歴史に残る「徳川家康の人質交換劇」を披露。今川を裏切った粛清として処刑されそうになる築山殿と、彼女を救おうと取りすがる直虎の元に、颯爽と使者が駆け付ける爽快さはドラマ屈指の名場面だ。

と同時に、直虎の〝役に立たなさ〟が浮き彫りになったシーンでもあった。

だんだん面白くなる、かも

コラムニストのペリー荻野氏は、井伊家の「小粒感」が見所だという。

「真田家のように大きな敵を前にして敵対心を剥きだしにするタイプではなく、なんとか円満にやっていこうと、戦う意思がないように感じます。戦う気満々なのは曾祖父の直平(前田吟)くらい(笑)。

はじめから負け組だからこそ、これからどういうふうに世渡りをしていくのかな、と。負けている側って、つい応援したくなりますから。

また、どん底からの女たちの頑張りにも期待しています。歴史上悪女と言われていた築山殿と直虎が友人だったという設定は、斬新でしたね。

直親が亡くなってからは、彼の妻・しのが母性を発揮し、忘れ形見の直政を巡り直虎と子育て論を戦わせていくはずです」

 

前述の「桶狭間の戦い」で織田信長役の市川海老蔵が登場しなかったことから、逆に期待が高まった、そう話すのは歴史コラムニストの上永哲矢氏だ。

「何度も大河で描かれてきた戦国時代ですが、王道を期待していると意図的に裏切られる演出が新鮮です。今川義元の戦死を描かない一方で、徳川家康の岡崎城帰還にスポットが当てられました。

いつ信長が出て来るのか、武田信玄や豊臣秀吉は登場するのか。キャストがまだ全ては明かされていないから、展開を予測できない楽しさがあります」

いまのところ「つまらない」と言われても仕方がない『直虎』だが、放送開始から3ヵ月。まだまだ挽回の余地はある。前出の成馬氏は言う。

「脚本の森下佳子さんは、『JIN-仁-』や『ごちそうさん』を手がけた構成力に定評のある方です。本来は、どっしりとした時代劇を描く人が、あえて少女漫画風に作り込んでいるのは、必ず狙いがあるはず。

また、幼少期から主人公をしっかり描き、周辺の関係を徐々に積み重ねていく手法が多いので、『ああ、ここでこう繋がるのか』と、ある時から急激に面白くなるのでは、と踏んでいます」

ブレイクするその日まで、柴咲と視聴者の忍耐は続く――。

「週刊現代」2017年4月8日号より