なぜ茨城と群馬は「不人気ナンバーワン」県に選ばれてしまうのか?

北関東同士の「人気なき」戦い
全国都道府県調査隊

「うまい棒」vs.「ペヤング」

茨城、群馬両県の「食の名物」を比べてみる。多くの日本人が子どものころに食べたであろう「うまい棒」を生産しているのは、茨城県常総市が本拠地の「リスカ」だ(販売は東京の「やおきん」)。

コーンポタージュ味、チーズ味といった定番から地域限定商品まで、様々なラインナップが展開されているが、ライバルの群馬県でも人気のゆるキャラをあしらった「ぐんまちゃん うまい棒」(とんかつソース味)が地域限定商品として発売されている。

茨城、群馬という不人気ツートップ県の“奇跡のコラボ”が実現した――と言っては失礼だが、濃厚なソース味は、ビールのつまみにもいい。「リスカ」はほかにも、ついつい食べすぎて周囲にニンニク臭をまき散らしてしまう「ハートチップル」も生産している。

その「リスカ」社長の実弟が経営する茨城の食品メーカー「菓道」は、これまた子どもに人気の「キャベツ太郎」を作っている。

さらに茨城は“洋モノ”菓子も扱っていた。スイスに本拠を置く、売上高世界最大の食品メーカー「ネスレ」と言えば、チョコレート菓子の「キットカット」が有名だが、日本における同製品は、茨城の工場で生産されているのだ。

まさに茨城は“菓子王国”と言えるだろう。

 

これに対し、群馬には名だたるインスタント食品の製造メーカーがある。

14年の「虫混入事件」により生産中止を余儀なくされたものの、根強いファンの後押しで復活した「ペヤングソースやきそば」を製造・販売しているのは伊勢崎市に本社を置く「まるか食品」。ちなみにペヤングとは、若い(ヤング)カップルがふたり(ペア)で食べてほしいというコンセプトのもと、ペア+ヤングでペヤングという名称になったとのこと。

16年からは姉妹品「ペヨングソースやきそば」も発売されている。こちらはペヤングより価格を抑えるために内容量を減らしたものだ。量が減ったために、名称も「ヤ行」の一番下である「ヨ」に落としたのだという。

また、16年に発売50周年を迎えた袋麺のロングセラー「サッポロ一番」は、名前だけ聞くと北海道のメーカーが作っているのかと思いがちだが、実は群馬県前橋市で創業された「サンヨー食品」の製品だ。先代社長の井田毅氏が商品開発のため全国のラーメンを食べ歩いた結果、札幌市で出会ったラーメンに感銘を受け、「サッポロ」の名を冠したと言われる。

従来のインスタントラーメンの多くは麺そのものに味がついていたのだが、「サッポロ一番しょうゆ味」はスープの仕上がりにこだわり、麺とスープを分けたのだという。さらに、ちょっと高級なアイスクリームブランド「ハーゲンダッツ」は、高崎市で国内生産されている。

ちなみにアイスと言えば、子どもに人気の「ガリガリ君」を作っている「赤城乳業」を思い起こす人もいるかもしれない。この社名には、「噴火しなければ富士山よりも裾野が広かっただろう」と言われる「赤城山」のように、幅広く多くの人々のための商品を作りたいとの思いが込められているという。

そう聞くと群馬の企業だと思いがちだが、こちらは埼玉県深谷市の会社である。