朝日より安倍、NYTよりトランプが支持される「これだけの理由」

メディアはなぜ信用されないのか
週刊現代 プロフィール

新聞記者の「エリート意識」

もちろん、既存メディアにも問題がある。大手メディアはニューヨークやワシントンといった都市部を中心に記事を作成し、広大な地方の問題には目を配ってこなかった。ブレア氏が続ける。

「メディアは都会の現象ばかり報じて、『ラストベルト』(かつての工業地帯。ラストは錆のことで、使われなくなった工場や機械を表現している)で何が起きているのかをきちんと報道しませんでした。

外国や移民に仕事を奪われて不満を抱いているかつての工場労働者にトランプ氏の支持者が多いと言われていますが、これまで彼らの苦悩を見過ごしてきたことが、メディアが軽蔑される理由となっています。

主流メディアが報じる米国の姿と、実際に地方で起きている事実の間には大きな断絶があることがわかったのです。メディアは反省して、断絶がどういうものかを理解する努力をするべきです」

日本でもメディアと政権の信用度は逆転しつつある。新聞通信調査会による世論調査によると、新聞の信頼度は100点満点中68.6点で、民放テレビは59.1点だ。しかも年々、信頼度は低下傾向にある。

片や安倍政権の内閣支持率は66%と高水準が続く(読売新聞による世論調査・2月17~19日)。

 

安倍晋三総理はこうした状況を歓迎しているようだ。産経新聞(2月11日付)によると、安倍総理は昨年11月に行われたトランプ大統領との初会談でこう言ったという。

〈「実はあなたと私には共通点がある」

怪訝な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。

「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った…」

これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。

「俺も勝った!」〉

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メディアよりも安倍政権が信用される理由は何か。地域金融の最前線で働いてきた城南信用金庫元理事長の吉原毅氏は、新聞記者の意識が一般大衆と著しく乖離してしまったことを挙げる。

「新聞記者の多くは一流大学を出たエリートであり、自分たちのことをエスタブリッシュメント(支配者層)と考えているのではないでしょうか。エスタブリッシュメントというのは常に今の地位を守ることしか考えないため、臆病で勇気がない。

しかも総じて彼らは高給取りです。今の生活を失いたくないという気持ちが強くなり、冒険ができなくなってしまう。その結果、読者が離れていっているのではないか」