トランプ政権の屋台骨を揺るがす「5人の弁護士」に注目せよ

トンデモ法曹から目が離せない【後編】
山口 真由 プロフィール

④司法長官はトランプの熱狂的支持者

就任早々、ロシアとの接触を問われて窮地に立たされているのは、司法長官のジェフ・セッションズである。

「選挙期間中にロシアとは一切接触していない」と就任前に確約したにもかかわらず、その後、ロシア大使と会っていた疑惑が浮上し、「トランプの政治顧問としてではなく、上院議員として会っていた」と、詭弁とも取られかねない主張をしている。

司法長官に就任したジェフ・セッションズ〔PHOTO〕gettyimages

そんな彼は、地方法曹界からの叩き上げ。そして、移民に大反対の主張で知られる

彼の出身校アラバマ大学ロースクールは名門校からは程遠く、決してエリートとは言えない駆け出しのセッションズは、人口1万人に満たないアラバマ州の地方都市で弁護士となり、地方法曹界で苦労を重ねた。しかし、その後検察官に転じ、頭角を現す。アラバマ州司法長官を経て、同州選出の上院議員となった。

移民反対の主張を持つセッションズは、トランプ支持を最初に表明した上院議員である。

トランプがアラバマ州で遊説したとき、「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」と描かれた帽子を被ったセッションズが、突然、壇上に飛び入り参加した。このサプライズゲストは会場を大いに盛り上げ、2日後の「スーパーチューズデイ」(=各州で大統領候補者の予備選が行われる選挙戦前半のヤマ場。ここで勢いをつけた候補が選挙戦を制するとされる)でのトランプ勝利にもつながった。

また、セッションズは、人種差別主義者ではないかと疑われている(「インターナショナル・ビジネス・タイムズ」2017年3月2日付)。

39歳のとき、連邦地裁の判事候補に挙げられながら、最後は上院で否決された。かつて黒人に対して数々の暴行をはたらいた白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」を肯定するかのような冗談を言ったのが問題視されたのだ。

セッションズ自身はその後自ら「人種差別主義者ではない」と釈明しているが、賛否が分かれる候補者であることは間違いない。

⑤最高裁判事に意外なエリート弁護士

政権内の閣僚人事ではないが、今後のトランプ政権を大きく左右しうるポストが、連邦最高裁判事である。

アメリカの裁判所は政治問題に立ち入って遠慮なく判断するため、歴代の大統領たちは、自分の考え方に近い判事を指名することで、裁判所の下す判決に間接的に影響を及ぼそうとしてきた。政治全体に影響力をもつ最高裁判事のポストは、どの政権にとても、超重要な法曹人事だ。

 

大統領に当選したトランプは、最高裁判事の候補者リストを当初の21人から、スーパーエリートで“法曹界のサラブレッド”であるニール・ゴーサッチ判事と、労働者階級から苦労して地位を築いたトーマス・ハーディマン判事の2人に絞りこんだ。

そして、大方の予想に反し、この争いを制して指名を受けたのは、スーパーエリートのほうだった。