あらゆる分野で社会を変えると話題の人工知能=AI。セックスの世界も、それと無関係ではない。好みに合わせたプレイを学習し、最高の美女の姿にもなれるAI。そのとき何が起こるのか。
これは、そう遠くない未来の話だ。
ベッドに寝転んだあなたの上には、清潔感のあるショートカットに、白衣を着こんだ美脚の女性。憧れの女優に瓜二つの長身美女が、一心不乱にいきりたったペニスにしゃぶりついている。
「あぁ……おいしぃ……」
普段は眼力の強い大きな瞳も、頬をえぐる亀頭の刺激に、心なしかトロンとして見える。
その髪を軽く撫でると、彼女は心得た様子で身体を起こす。
「もう挿れたいよね? わたしも挿れたいよ……」
白衣の下には、何も着ていない。ツンと勃った乳首に、はだけた襟が引っかかっている。いつもは白い肌が、ほのかにピンクに色づいている。彼女の身体が欲情しているサインだ。
だが、彼女がペニスに跨り、陰裂に先端を当てがったところで、あなたは「おあずけ」をかける。彼女は長い脚でしゃがみこみ、今にも騎乗位で自らペニスを咥えこんでしまいそうになりながら、焦れている。
「もぅ……いじわるなんだから。お願い、早くあなたの熱いの、奥までちょうだい――」
冗談のようだが、これは決して、非現実的な未来予想ではない。
まもなく、好きな女優と自由気ままにセックスできる時代がやってくると、専門家たちは予測している。
それを可能にするのが、最近何かと話題のAI(人工知能)技術だ。
未来の科学技術やそれが社会に与える影響を研究している未来学の専門家で、英国のイアン・ピアソン博士はこう話す。
「すでに20年ほど前から、人間と会話をするチャットボット(会話ロボット)の実用化が始まっています。このチャットボットもAIの一種でしたが、その技術は飛躍的な進歩を遂げています。そしてAIの優秀なところは、自らどんどん賢くなり、人間よりも学ぶのが早いということです」
たとえば、あなたがAIを「女性」に設定し、実在の女優のしゃべり方を真似るように促したとしよう。
AIはインターネット上の動画サイトなどで、過去のテレビ番組やドラマなどを検索し、その女優の声質を分析。言葉遣いや間の取り方、息遣いを学ぶ。食べ物の好みやファッションについても学習するかもしれない。
「AIは人間が何十年もかかって学習するような情報量を、あっという間に習得できるのです。実際に人間の意識に近いものを持ち、自然なコミュニケーションが取れるAIは、今後5~10年で実用化されるでしょう」(前出・ピアソン博士)
つまり、東京五輪が終わり、しばらくすれば「話の通じるAI」が登場するということだ。