「お笑いビッグ3」タモリだけがうまく生きている「これだけの理由」

「今を肯定して生きればいい」
週刊現代 プロフィール
Photo by iStock

このタモリの姿勢はどこで培われたのか。タモリがデビューするきっかけを作ったジャズピアニスト・山下洋輔氏が語る。

「最初にタモリと会ったのは福岡のホテルでした。コンサートの打ち上げで盛り上がっていると、突然、知らない男が中腰で踊りながら入ってきた。サックスの中村誠一がデタラメな韓国語で怒ったら、何倍も上手い言葉で返してきた。

こちらは喜んでもっとやれと囃し立てた。あとでタモリに入って来た理由を聞いたら『面白そうだったから』。その瞬間、こいつはデキると確信した。

今考えるとタモリは根っからの『ジャズ体質』なんですね。ジャムセッションと一緒で、楽器を持って急に入ってきても、上手ければ許せることを知っていた。当然気が合って、皆に見せたいと上京を誘ったんです。

タモリはやはり頭がいい。滅茶苦茶なようで、言って良いことと悪いことの見極めはきちんとしている。何が常識的かは子供の頃から見抜いていた。かつて作家の星新一さんが『常識的な人間でなければ非常識な面白さはわからない』と言っていましたが、まさにタモリはそれですね」

常識を理解しながら、それを壊していく――こうしてタモリはビートたけし(70歳)、明石家さんま(61歳)らと共に「ビッグ3」と呼ばれる芸能界の大御所となった。その「ビッグ3」も今やサラリーマンであれば定年を迎え、余生を過ごす年齢である。だが、3人の現在の生き方はそれぞれ異なる。

 

いい意味で適当

タモリが自分の趣味ややりたい仕事だけを厳選し、人生を楽しんでいる一方、たけしやさんまは今も「お笑い」にこだわり戦い続けている。だが最近は「ちょっと世間からズレてきた」と感じさせることもある。

昨年末、コカイン疑惑により俳優の成宮寛貴が芸能界を引退したことについて、たけしは「やめなくたっていいんじゃないの。相手が『FRIDAY』なんだから、俺みたいにずうずうしく、いきゃあいいんだよ。じゃんじゃん嫌がらせの電話とか。俺が言えた柄じゃないけど」と自虐的にコメント。

続けて「それだけ気にかけられることは、売れてるってことだと思わないと」と持論を述べたが、ネット上では「売れていることと薬物疑惑は関係ない」との意見も挙がった。

Photo by GettyImages

もう一人の「ビッグ3」であるさんまは、いい意味でも悪い意味でも「お笑いモンスター」として突き進んでいる。今でも「自分が一番面白い存在である」ことを示そうと、若手芸人に混じって番組ではしゃぎまわっている。

こちらもネットでは「老害」「痛々しい」といった声が挙がることもある。二人とも少なからず好感度を落としているのである。

「たけしさん、さんまさんは常に前へ前へのタイプ。もちろん二人とも凄いんだけど、濃すぎるから毎日見ていると疲れてしまう。

でもタモリさんなら毎日見ていられる。決して自分の主張を強く出すこともなく、自分と違う意見の人を攻撃することもない。それでいて『ボソッ』と的を射た発言をする。タモリさんにはどこか『品』があるんです」(前出の鶴間氏)