3月2日、米上院銀行委員会(マイケル・クラポ委員長)は次期証券取引委員会(SEC)委員長に指名されたジェイ・クレイトン氏(サリバン&クロムウェル法律事務所パートーナー)の指名公聴会を開く。
トランプ米政権が打ち出した金融規制緩和政策の行く末を占う上で注目を集めている。クレイトンSEC委員長が誕生すれば、トランプ政権は本格的に金融規制緩和に乗り出し、市場開拓が企業の成長期待を高め、米国経済は上振れて企業の期待成長率の高揚が長期にわたる設備投資につながると見られているからだ。
ドナルド・トランプ大統領は2月3日、オバマ前政権下の2010年に制定された金融規制改革法「ドッド・フランク法」の見直しを指示する大統領令に署名している。そしてホワイトハウス内で存在感が高まっているゲイリー・コーン国家経済会議(NEC)議長が同法縮小に向けた準備作業の陣頭指揮をとっている。
改めて指摘するまでもないが、コーン氏はウォール街の雄、ゴールドマン・サックス(GS)の社長兼最高執行責任者(COO)を歴任した「金融ビジネスのプロ」である。
そしてクレイトン氏がSEC委員長に指名された経緯について、米ウォールストリート・ジャーナル紙(2月19日付)が次のように報じている。
「クレイトン氏が不要と考えてきた資本調達規制を緩和することで経済成長にどれだけ貢献できるかについて言及したメールをトランプ氏の側近が読み、感銘を受けて関心あるポジションはないかと尋ねたところ、同氏の答えはSEC委員長だった。
そして同氏は12月末、トランプ氏が保有するフロリダ州の別荘マール・ア・ラーゴに招かれ、トランプ氏からSEC委員長を打診された」