東芝が上場廃止をすると、日本経済には一体どんな影響があるのか

変わるものと変わらないもの
田中 博文 プロフィール

東芝だからこそ上場廃止にするべき

改めて、オリンパスの時に東証が判断した項目を参考にして、以下の7項目を過去事例にも当てはめてみたものを再掲しておく。

1.決算修正すると上場基準に抵触するか
2.赤字を黒字にみせかけていたか
3.虚偽の有価証券報告書を使って金融市場より資金調達を行っていたか
4.本業の収益を偽っていたか
5.不正は組織ぐるみだったか
6.刑事罰となったか
7.課徴金となったか

大きく分けると「形式基準」と「それ以外」の2つに分けられ、「形式基準」には西武鉄道とカネボウが分類される。

1から5までは内部管理体制が構築されていれば防げる論点であり、6と7はその結果としてのペナルティである。

今回その規模、上場廃止の俎上に上がる深刻度を勘案すれば、東芝はカネボウのケースに近い。

東芝は巨大な企業であるため、上場廃止になると影響が大きいとか、株主に多大な迷惑が掛かるという意見もあるかもしれないが、私は東芝だからこそ、上場廃止にすべきだと考えている。日本を代表する会社だからこそ、この混乱の社会的責任を全うすべきではないのか。

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上場廃止になっても株式は相対で売買可能

上場廃止となっても、基本的には、株式関連以外に大きく変わるところはほとんどない。銀行は上場していようがしていまいが、基本的にその融資スタンスは変わらない。適切に自分たちの融資が返済されるか否かだけが重要である。

上場廃止が決定すると、上場廃止日までおおむね株価は下落し、上場廃止後は証券取引所で自由に売買することは出来なくなるが、株主が相対で取引することは可能だ。

お互いが値段で折り合えば、担当の信託銀行に名義の書き換えを申請することになる。実際に西部鉄道が上場廃止になった時も、引き続き株を保有していた株主が多数おり、再上場時には1万4000人近くの株主がいたのである。

今回半導体の分社化については、株式の全部売却含めて来期以降になるとのことだが、その場合、懸念されるのは、分社化後に東芝に残された債権者・株主から詐害行為取消請求を出される可能性も否定できない。

東芝は上場廃止とし、法的整理も含めて、改めて慎重な対応が必要であると考えている。そういった意味では、東証の英断を望むばかりである。

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