芸能人が「クスリとセックス」に溺れるまでの全真相

ザ・芸能界 テレビが映さない真実
田崎 健太 プロフィール

芸能界に戻るから再犯する

だが、逮捕されても再び同じ場所、同じ仕事に戻ることのできる芸能人は、再犯の可能性が高いという。

「ぼくの場合は、薬物依存で本当に全てを失いました。残っていたのは、母親と弟という家族だけだった。この2人に申し訳なくて、ダルクに入ったんです。

例えば、小向さんなどは、捕まって出てもまた、ストリップやAVで稼ぐことができる。彼女を使って仕事をしようという周りの人間もいるでしょう。その場合はどうしても再犯の可能性が高くなる」

その意味で、宮古島などで療養生活を送る清原和博は、正しい道を歩いていると十枝はみている。

「清原さんは逮捕されたあと、『一日一日の闘い。今日は勝ったぞ、明日も頑張ろうという毎日の積み重ねです』と話していますが、ぼくたちの考えと同じです。本当に一日、一日の積み重ねが大切なんです」

警視庁池袋署組織犯罪対策課で薬物取り締まりを担当する蜂谷嘉治警部は、「NO DRUGS」という会を主宰している。これは元薬物乱用者、その家族たちが集まって互いの経験や現状を語る会である。蜂谷警部が逮捕した乱用者の更生のため、7年前に始めた取り組みだという。

「薬物乱用の抑止力の第一は、我々のような警察の取り締まり。その次が家族を大切に思うかどうか。家族を失いたくないという抑止力が働く。家族の方に同席してもらっているのはそのためです」

彼もまた日々の積み重ねが大切だと強調する。

「とりあえず今日はやらないで済んだ、みたいな生活なんです。その一日が積み重なって、一ヵ月、そして一年となる。私たちは『もうやりません』という言葉は信じませんが、『今、やってない』は信用するというスタンスです」

しかし、夫人が更生支援をしているというASKAの場合はまだしも、清原は保釈の際の身元引受人がなかなか決まらなかった。家族という「最後の砦」さえ持たない芸能人が薬物と訣別する道は、決して平坦ではない。(文中敬称略)

(*田崎健太氏の連載「ザ・芸能界」バックナンバーはこちらから http://gendai.ismedia.jp/list/author/kentatazaki

「週刊現代」2017年2月25日号より