芸能人が「クスリとセックス」に溺れるまでの全真相

ザ・芸能界 テレビが映さない真実
田崎 健太 プロフィール

人間の意志の力は強くない

Xは、ある芸能事務所の人間から「手配できる女性」の作り方を教えて貰ったことがあるという。

「グラビアアイドルの女の子などは、給料が安いので現金を持っていない。でも、住んでいるのは家賃40万円のマンションなんてこともある。

もちろん、セキュリティの問題というのもあるでしょうけれど、本当の理由は別にあるんです。高級マンションに住まわせて、毎晩のようにミシュランの星のついたレストランに連れて行ったり、売れっ子が出入りしている店を覗かせる。

さんざん遊ばせたあとで、女の子の家族、あるいは心ある友人たちのことを『あの人たちはこんな高級店に行くことはできない。そんなくだらない人間の話を聞く必要はない』と言い続ける。

そして、『しみったれた生活と、今の華やかな生活のどっちがいいんだ』と選択を迫る。自発的に後者を選ぶようになれば、『一丁上がり』です」

Xは'09年に覚醒剤取締法違反で逮捕された、グラビアアイドルの小向美奈子とも面識があった。

「彼女はクスリ好きではあったけど、中毒という感じではなかった。15歳ぐらいから芸能界に入って、可愛い、可愛いと言われ続けてきた。でも20歳を超えると、自分への注目は減ってくる。彼女は、自分を見て、見てというタイプ。かまって欲しいんです。

 

彼女はそのうち、イラン人の売人グループとも接触をもつようになり、自分で覚醒剤を扱うまでになったと言われます。『男の人はこういうことをしないと喜んでくれないんでしょ』と思い込んでいたんでしょう」

こういうこと――とはもちろん覚醒剤を使った性行為である。

近年、冒頭で挙げた芸能人たちのように、40代から50代の薬物乱用者が増えているという。'09年8月に逮捕された酒井法子は現在45歳、昨年2月に現行犯逮捕された清原和博は49歳、昨年11月に逮捕され、その後嫌疑不十分で不起訴となったASKAは58歳だ。Xが指摘する。

「人は結局、カネがあると快楽を極めたくなるんじゃないでしょうか。'90年代に、渋谷のセンター街などでイラン人の密売人が偽造テレホンカードや覚醒剤を売っていましたよね。その当時若かった人たちが、現在40代~50代になって、時間と経済に余裕ができて何をするか――というパターンではないか」

警察庁によると、薬物乱用で1年間に約1万4000人が逮捕されており、そのうち65%が再犯者だという。高い再犯率が薬物依存の特徴である。

薬物依存症の回復を支援するリハビリ施設『館山ダルク』代表の十枝晃太郎によれば、ダルクに入所するのは逮捕歴がある人間が多いという。

「2回、3回というのは当たり前で、10回を超える人もいます。依存症を治そうと自分から入ってくる人間は少ない。社会的信用、お金を失って、生活も破綻する。周りに人もいないので国に頼るしかなく、生活保護の申請をするわけです。

そこでダルクに行ってリハビリをして、よくなれば面倒を見ましょう、という行政からの依頼で来る方が全体の約半分です」

十枝の母は、故・松方弘樹との間に息子をもうけた歌手の千葉マリアである。十枝自身も、かつて薬物依存症になり、それを克服した過去がある。克服のために重要なのは、環境を変えることだと十枝は考えている。

「使っていたときと同じ場所にいたりとか、同じ匂いを嗅いだりすると、すごくやりたくなってしまうんです。覚醒剤を使っていた人だったら、売人に電話したりしてしまう。そうなる前に止めなければならない。

人間の意志の力は強くない。数年間は違った場所で生活するとか、行動範囲を変えることです」