視聴率ガタ落ち!脱・籾井のNHK ニュース番組「勝負の大改編」

アナウンサー10人が異例の「民族大異動」
週刊現代 プロフィール

NHKこそ視聴率至上主義

NHK若手ディレクターもこう言う。

「NHKは民放よりも視聴率を気にしていますよ。それはニュース番組であっても例外ではなく、何を取り上げたときに数字が上がっているのか、細かく分析しています。

確かにスポンサーは関係ありませんが、上層部からは『良質な番組』を強く求められます。良い番組の指標なんて、結局、視聴率以外にはないんですよ。NHKではリアルタイム視聴率と録画視聴率を合わせた総合視聴率を重視しています。

大河ドラマや朝ドラは録画視聴率を底上げしてくれますが、そうはいっても、総合視聴率を上げるためにはリアルタイムで数字を上げなければジリ貧になってしまう。そのために好感度の高い若いアナウンサーを生放送のニュースで起用するのは当然でしょう」

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今回は人気男性アナも大幅に異動させた。なかでも『ニュース7』のメインキャスターから武田真一(49歳)を外すことは大きな話題となっている。

武田は昨年末のNHK紅白歌合戦の司会を務め、「熊本は私のふるさとです」「頑張るばい、熊本!」と呼びかけて、視聴者の心を摑んだ。

「『7』をもう9年もやりましたから、当然の人事ですね。全国的に知名度の高い武田さんには『クロ現』の立て直しというミッションがあります」(前出・ベテラン局員)

『クローズアップ現代+』は昨年3月に国谷裕子キャスターが降板後、リニューアルされた。7人の女性アナウンサーが交代で司会を務めたが、視聴率は低迷していた。

「国谷裕子さん降板後の『クロ現』は失敗でした。国谷さんの問題意識にあふれた進行には緊張感があり、ゲストもテーマをよく知る専門家や当事者が招かれていた。

それが、キャスターを交代制にし、民放の番組のように直接テーマを知っているわけではないコメンテーターが出演するようになって、物足りなくなっていました。

今回は武田アナを起用して、もう一度、きちんとした報道をやろうという局の意思の表れだと思います」(元日本テレビディレクターで上智大学教授の水島宏明氏)

もう一人の看板男性アナで、『おはよう日本』メインキャスターの阿部渉アナ(49歳)は、新たに立ち上がる平日午後の情報番組『ごごナマ』に異動する。

「『ミヤネ屋』の独壇場だった時間帯にNHKが参戦します。ここに主婦層に知名度が高く、安定感バツグンの阿部アナを手堅く起用する。そもそもNHKの全国ネットワークを生かした取材力は民放の比ではありません。芸能ニュースに飽き飽きした視聴者が流れますよ。

またスケールメリットがある。サブチャンネルを使えるNHKは大相撲、高校野球、国会中継といったNHKが放送すべき『義務番組』と同時に、独自放送を流せるようになりましたから」(スポーツ紙放送担当記者)

夜だけでなく、昼の時間帯でもNHKがどん欲に数字を取り、民放を潰しにかかってきたのだ。

 

ほかにはこんな隠し玉もあるという。

「アナウンサーの登竜門『ニュースチェック11』のキャスターが決まった大阪放送局の青井実アナ(36歳)です。丸井創業者の孫で、実兄が元フリーアナの山岸舞彩と結婚しています。彼も長身イケメンですから、女性ファンの拡大が期待できるかも」(NHK関係者)

だが、元NHKディレクターで、現在は次世代メディア研究所代表を務める鈴木祐司氏は現状は甘くないと指摘する。

「今回の人事は単に視聴率向上で苦労しているようにしか見えません。女性アナウンサーの抜擢は民放の周回遅れです。

それより注目すべきは『ニュース7』の視聴率が約15年で5%も落ちてしまったことです。主な視聴者である高齢者は増えていますし、他局にしてもバラエティばかりで競合番組は存在しません。

現実問題として、もはやストレートニュースは時代遅れなのでしょう。視聴者が求めているのは、ニュースの先にある解説だと思います。キャスターの人事だけでなく、NHKは、もっと根本的に番組内容を変える必要があると思います」

大改編は吉と出るのか。

「週刊現代」2017年2月18日号より