アメリカ経済を混乱に陥れる「消費者アクティビズム」という新たな病

「親トラ」であれ、「反トラ」であれ…
山田 敏弘 プロフィール

「二重の檻」に閉じ込められる危険性

さらに恐ろしいのは、一度消費者アクティビストに狙いを定められるが最後、有効な対策手段がないことだ。黙って抗議の嵐が過ぎるのをじっと待つか、あるいは早めにアクティビストの要求に屈するか。いずれにせよ、ブランドイメージがガクンと落ちてしまうことは避けられない。

では、危うい発言をしなければいいのかといえば、そうではない。トランプ大統領が特定7カ国からの入国制限命令を出したことで、イスラム系をはじめとする世界各国の団体などが反発し、米国製品へのボイコットを呼びかける可能性もあるからだ。

 

無論、アメリカの企業だけがターゲットの候補ではない。日本企業の関係者がもしトランプ氏本人やその政策に関してうかつな発言をすれば、たちまち消費者アクティビストに狙われてしまうだろう。

トランプは個別の日本企業を名指しで批判し、それを受けた企業がトランプにおもねるような言動をとっているが、その「おもねり」自体が、消費者アクティビストを刺激し、ターゲットになってしまう可能性もあるのだ。

今後、アメリカで経済活動を行う企業は、トランプの動向を気にしながら、一方でアクティビストを刺激しないかに脅えななければならないという、「二重の檻」に閉じ込められることを、肝に銘じておくべきだろう。