文科省「天下り斡旋」の責任者に退職金5610万円って…

もう呆れるほかない
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返納するべき

文科省の天下りは、氷山の一角にすぎない。官公庁の役人が所管業界の法人に天下る例は枚挙にいとまがない。

「たとえば、タクシー業界の全国組織『全国ハイヤー・タクシー連合会』の理事は旧運輸省と警察官僚が常に天下っています。

高市早苗総務相は、『総務省に天下りの斡旋事例はない』と言っていましたが、全国市長会や全国町村会の事務総長は総務省の局長以上の天下り指定席です。

経産省の人間がたとえば電力会社に天下る場合は、すぐに役員になると問題なので、数年間は顧問として顧問料を支払い、ほとぼりが冷めたところで、役員として迎える。この場合、顧問のポストは『座布団』という。こうしたやり方がいくらでもあるのです」(新藤氏)

霞が関では、同期が組織のトップである事務次官に就任すると、その他の人間は退職することが慣例となっている。60歳を前に、組織を追い出されることの不安は理解できなくもない。

 

しかし、だからといって、退職後に民間の常識ではありえない高待遇でおいしい天下りをすることが許されるわけでもない。しかも、破格の退職金を手にした上で、だ。

文科省に長く勤めた寺脇研氏が言う。

「官庁は上下関係の秩序で成り立っているので、先輩が部下にいたら仕事がやりにくいという側面はあると思います。ただ、それも慣れです。民間企業では、年上の部下は普通のことになっています。

霞が関は時代に合わなくなった人事制度を変えるべきでしょう。天下り先を確保することに汲々とするのではなく、定年まで働ける環境や民間レベルの再雇用制度を整備することが先決です」

不正の発覚した組織のトップが退職金を返納するくらい襟を正さないと、天下りの根絶は不可能だ。

「週刊現代」2016年2月11日号より