プロ野球OB30人に聞く、清宮幸太郎の「将来性」

3割40本か、それとも2割10本レベルか
週刊現代 プロフィール

パワーだけではない技術の高さを称えるのは、巨人、横浜で活躍し、現在は独立リーグ・高知で指揮をとる満塁男・駒田徳広氏だ。

「飛距離もミート力も高校生の中では超一流だと思います。バットとボールが接する時、力任せではなく、ボールを捕まえられる。だからミート力が非常に高い。これはほぼ天性のものです。これからはスイングスピードをあげるとか、体のキレを増すトレーニングを積み重ねていけば、まだまだ成長できるポテンシャルがある。

清宮君にとって、今の筒香(嘉智)が一番いい見本になるし、目標になると思う。筒香よりもミート力がある打者になってくれれば最高だし、ミート力があるからこそ将来的には三冠王も狙える打者をめざせる。プロに入ったら本塁打をシーズン30~40本、生涯に400~500本くらい打ってくれる打者になってほしいと思います」

 

活躍は日本国内だけにとどまらない、と期待を寄せるのが、阪神から米国に渡り、ジャイアンツでメジャー登板を果たした藪恵壹氏だ。

「僕はアメリカにいるとき、彼がリトルリーグの世界大会で活躍する姿をテレビで見ていました。アメリカではゴールデンタイムに生中継されるほど人気があって、この大会からのちのメジャーリーガーが数多く出ています。

彼は当時から体もひとりだけ飛びぬけて大きかったし、当時13歳の子が右翼スタンドをはるかに越える、約94mの本塁打を放ったんです。60回を超える大会の歴史の中で史上最長となる一撃でした。その衝撃は、すごかったですよ。

そこから順調に育っていると思いますし、今は松井秀喜級のホームラン打者になった。王さんの本塁打記録(868本)にも挑戦できる、そういうスケールがある。日本である程度の期間、活躍できれば、いずれはメジャーに行くことになるんじゃないかと思います」

Photo by GettyImages

冒頭で清宮をほめたたえた野村氏は、映像を見ただけではわからない側面をこう指摘する。

「プロというのは野球界の最高レベル。私は常々『野球は頭のスポーツ』と言ってきましたが、上に行けば行くほど、『頭』が大切なんです。感性と頭脳。感じる力、考える力。

その選手がプロで活躍できるだけの感性を持ち合わせているかどうかは、打っている姿を見るだけではわからない。一流がたくさんいるプロの恵まれた環境の中で、見て学ぶ、聞いて学ぶことができるかどうかが、その後成功する上で、大切な力になってくる。

プロでは、打撃だけで生きていくのは大変なことです。なぜかというと、今は映像やデータを集めてスコアラーを中心に徹底的に研究される。そういうのも乗り越えて打てるかどうかが勝負です。

球団から打撃のよさを期待された選手でもプロ入り後、全然、使い物にならずに去っていった選手を、私は何人も見てきましたから」

広島、ヤクルトで活躍した小早川毅彦氏は、評論家活動を通して、ひとりの取材者として清宮をこう見ている。

「彼の魅力は長打力なのでしょうが、それと同じくらい人間性にも魅力を感じています。

まずは素直で明るい。テレビのインタビューではかしこまって、少し考えながら言葉を選んでいますが、そういった真面目な人柄に好感を持っています。その真面目さがかわいがられる要因でもあるし、周囲の人の力が彼の成長を助けていると思う。

日本ハムの大谷翔平選手がいつ、メジャーに挑戦することになるかはわかりませんが、たとえば来年、清宮のようなスケールの大きな選手がプロ入りしてまた野球界を盛り上げる。そうやってスターの系譜が受け継がれていくことが大事だと思います」

センバツ、そして最後の夏。甲子園で躍動する清宮を見るのが楽しみだ。

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