本当の幸福とはなにか? 『嫌われる勇気』著者がたどり着いた結論

幸福に「なる」のではなく幸福で「ある」
岸見 一郎 プロフィール

自分に価値があると思えるのは貢献感を持てる時である。その貢献感を持てるためには対人関係の中に入っていくことが必要だが、何か特別なことをしなければ貢献感を持てないわけではない。今の時代は人の価値を何かができることに求める傾向が強いが、人は生きていることでそのまま他者に貢献しうるのである。

 

何もしなくても今のありのままの自分であることで貢献感を持て、自分に価値があると思えたら人との繫がりの中で幸福で「ある」ことができるのである。

私の結論はシンプルなものである。人は幸福に「なる」のではなく、幸福で「ある」。今は不幸だが、苦しさから抜け出して幸福に「なる」のではなく、ただ幸福で「ある」のである。

本を読んだ時、読者の人生が変わらなければ意味がない。本書を読めば、幸福はどこか遠くに探しに行かなくても、初めからあったことに気づくだろう。

読書人の雑誌「本」2017年2月号より