松方弘樹、その規格外の生き様 〜酒豪伝説、女性関係、釣り…

さらば、最後の映画スター!
週刊現代 プロフィール

ベテランの映画プロデューサーが語る。

「松方さんは30人が相手の立ち回りでも、殺陣師が2回ほど手本を見せれば自分のものにしてしまう。

本番が終わった後、松方さんが使った小道具の刀は一切刃こぼれしていない。なぜかというと、相手の刀の5mm手前で、刀を止めて殺陣を演じているから。そんな役者はもう松方さん以外には数えるほどです……」

まだ早すぎる

松方は都内の大学病院で抗がん剤治療に取り組んでいた。今年に入り、女性週刊誌が3度の脳梗塞を起こして治療が思うように進んでおらず、「自力でベッドから起き上がることができない状態」「この年末年始はほとんど言葉も出なくなっている」と報じた。

だが、松方を見舞いに行った親しい映画関係者はこう語る。

「昨年末に会ったときには、松方さんは『元気でやってるか』と声をかけてくれ、少し言葉は出にくいようでしたが、『あの映画はどうだ?』とちゃんと会話もしました。

ただし、親しい友人たちもあえて気安く見舞いには行かないようにしています。松方さんはこれまで豪快な姿をみんなに見せていただけに、入院中の自分をあまり見せたくないという美学がある。周囲もそれを分かっているからです。もう一度スクリーンに立つために、リハビリにも取り組んでいました」

前出の矢﨑医師が言う。

「脳リンパ腫は最新の治療法によって生存期間中央値(半数の患者が生存できる期間)は40ヵ月以上に延びています。再発率が高い悪性疾患ですが、リハビリで現場復帰できる可能性はゼロではありません。私の患者さんでも10年以上元気で暮らしている方もいます」

松方は'13年に本誌の取材にこう答えていた。

「役者の世界には定年がありませんから。昨年、87歳で逝かれた大滝秀治先輩は、亡くなる間際まで仕事をつづけましたが、僕もそうありたい」

酒とマグロと映画を愛した名優をまだまだ観たかった――。

「週刊現代」2017年2月4日号