松方弘樹、その規格外の生き様 〜酒豪伝説、女性関係、釣り…

さらば、最後の映画スター!
週刊現代 プロフィール

ただし『仁義なき戦い』などを手がけた元東映プロデューサー・日下部五朗氏はこう語る。

「女遊びは僕が見るかぎりそれほどでもなかった。サービス精神がありすぎて、遊びの話まで面白おかしく言い過ぎちゃうので、それで役者としては損したかもしれないね」

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周囲を楽しませることが大好きな松方ならではの発言だったのだろう。

「還暦を過ぎて医者に忠告されてからは、お酒をピタッと止めて、クラブに行くこともほとんどなくなった。飲んでもビール1杯程度でしたね」(別の芸能事務所関係者)

ヤクザ映画、時代劇とともに、松方と言えば〝釣り〟である。これまで世界33ヵ国でカジキを350本釣り上げている。マグロは300㎏以上を3本。一昨年5月には沖縄・石垣島周辺で361㎏の巨大クロマグロを釣り上げる快挙も果たした。

松方の親しい釣り仲間であり、松方が「俺の弟子」と呼ぶ宮古島の漁師仲宗根正行さんが言う。

「芸能人の釣り師としてトップではなく、釣り師としてトップクラスです。他人のやり方は気にせず、『自分のやり方で釣れなかったらそれでいい』と言っていて、とてもかっこよかった。

私の船で一度に3本のマグロがかかったことがあるんですが、松方さんが無茶に引くもんだから全部逃しちゃった。『リベンジにきます』と言って帰っていきましたね。

 

私の船で別の方が巨大マグロを釣ったときは、松方さんから電話がきました。『何キロだった?』って。367㎏だと伝えたら『俺の記録は6㎏足りない』と悔しがっていました。一番になりたいんだろうね。早く元気になって船に乗ってリベンジしてほしかったです」

別の古い知人も言う。

「松方さんは『スケジュールは年の3分の1が釣り』って言っていました。携帯電話の登録先はほとんどが漁師さん。でも巨大マグロを釣って、セリで何百万で売れても、松方さんは赤字なんです。道具におカネをかけているし、お祝いに漁師さんと大宴会するから(笑)」

夜遊びにも釣りにも全力だったからこそ、周囲に慕われ、そしてスクリーンで魅力的なのだ。

ヤクザ映画の巨匠、中島貞夫監督が松方を語る。

「彼の本質的な部分が、まさに役者なんだと思う。無理をして芝居をすることなく、役の勘所を自然と押さえてしまう。彼に詳しく役の説明なんかしたことない。裏での気遣いや豪快さは古き良き大スター的で、役においては常に新しさを取り入れようとしていたと思います」